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今季逆転はあるか? 明暗分かれる2016年ドラフト1位たち

2020 2/25 06:00勝田聡
オリックスの山岡泰輔投手ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

田中正義はここまで未勝利

今年4年目を迎える2016年ドラフト指名組。大学や社会人出身の選手は主力になり、高校出身の選手もそろそろ一軍で出番を勝ち取りたい頃合いだ。しかし、当時のドラフト会議を振り返ってみると、1位で指名された選手たちの明暗が分かれている。

ドラフト前から大きな注目を浴びていたのは創価大の田中正義だった。150キロを超えるストレートを武器とし、即戦力右腕として5球団が1位で入札。抽選の末にソフトバンクが引き当てた。

チームの選手層が厚いということもあり、1年目からバリバリ一軍で投げるというより、はじめはファームで経験を積ませ、2年目、3年目あたりから一軍で結果を残し始めるイメージを描いていたファンも多い。しかし、3年目を終えて一軍での登板は11試合のみ。一軍初勝利は達成できておらず、防御率は8.16と結果を残しているとは言い難い。

このキャンプではA組(一軍)スタートだったものの、右肘の張りを訴えリハビリ組へ。ドラフト1位入団と言えど、そろそろ結果を出さないと後がない、というのが田中の現状だ。

佐々木千隼は昨季開花の兆し

田中と同じく大学生で注目されていたのが、桜美林大の佐々木千隼だった。ドラフト会議史上最多となるハズレ1位での5球団競合の末、ロッテが交渉権を獲得した。

佐々木は1年目に4勝を挙げたものの、その後は故障の影響もあり思うような成長曲線を描けていない。2018年は一軍登板「0」。昨シーズンは7試合で2勝1敗、防御率2.53とまずまずの内容をみせ、今年は一軍定着を目指している。極端に悪い数字ではないが、ハズレ1位とはいえ5球団が競合した逸材。少し物足りないのは否めない。

広島に指名された慶応大の加藤拓也(現矢崎)も1年目に初登板初勝利をマークして以降、勝ち星はない。昨シーズンも5試合の登板で防御率5.63と結果を残せていない。

ポテンシャルの高さは随一で毎年レギュラー候補となっている吉川尚輝(中京学院大→巨人)も故障での離脱が多く、年間を通して試合に出場したことがない。昨シーズンも開幕スタメンを確保したものの、11試合の出場にとどまった。

藤平尚真は昨季開幕ローテ入りも登板3試合

高卒で入った選手たちも苦しんでいる。藤平尚真(横浜高→楽天)、寺島成輝(履正社高→ヤクルト)が顕著だ。

藤平は1年目から一軍で結果を出し、期待されたもののその後は伸び悩んでいる。昨シーズンも開幕ローテーションに入ったが、3試合登板0勝1敗、防御率10.38で生き残れなかった。今シーズン、金銭トレードで涌井秀章がロッテから加入、松井裕樹が先発に転向する。先発ローテーション枠入りは昨年以上にむずかしい勝負の年となる。

寺島はここまで一軍未勝利。まずは一軍定着が目標となる。

山岡泰輔は3年連続規定投球回到達

もちろん、全員が結果を残せていないわけではない。柳裕也(明治大→中日)は昨シーズンブレイクし11勝を挙げた。山岡泰輔(東京ガス→オリックス)は3年連続で規定投球回に到達し、日本代表に選出された。濵口遥大(神奈川大→DeNA)は故障離脱があるものの、先発ローテーションに入り3年で20勝(16敗)をマークしている。

今井達也(作新学院高→西武)と堀瑞輝(広島新庄高→日本ハム)の2人はともに一軍で出番を勝ち取り、戦力として結果を残してきた。特に今井は先発ローテーションの一角に定着。今シーズンは初の規定投球回到達、そして2桁勝利が目標となる。

野手では大山悠輔(白鴎大→阪神)が昨シーズン全試合に出場した。4番としては物足りないのは事実だが、極端に悪い成績ということではない。

2016年ドラフト組にとって4年目となる今シーズン、「さすがドラフト1位」と呼ばれるようなパフォーマンスを見せることができるだろうか。とくにこれまで結果を残すことができていない選手たちは、そろそろ確固たる結果がほしい。

<2016年ドラフト1位>

オリックス:山岡泰輔(東京ガス)
楽天:藤平尚真(横浜高)
西武:今井達也(作新学院高)
ロッテ:佐々木千隼(桜美林大)
ソフトバンク:田中正義(創価大)
日本ハム:堀瑞輝(広島新庄高)
中日:柳裕也(明治大)
ヤクルト:寺島成輝(履正社高)
阪神:大山悠輔(白鴎大)
DeNA:濵口遥大(神奈川大)
巨人:吉川尚輝(中京学院大)
広島:加藤拓也(現矢崎・慶応大)

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