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ロッテ・佐々木朗希はかつてない衝撃を与えるか 松坂大輔ら怪物達のデビュー時を振り返る

2020 2/21 06:00浜田哲男
千葉ロッテの佐々木朗希
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ⒸSPAIA

ブルペンで見せた驚愕の投球

ブルペンで投球する度に、各方面から熱い視線が注がれるロッテの佐々木朗希。ロッテは公式ツイッターで2月18日より、3方向から撮影したブルペンでの投球動画(3本)を公開しているが、既に再生回数は34万回を突破(2月20日現在)。その注目度の高さを改めて思い知らされた。

初めてブルペンに入った石垣島キャンプの最終日(2月13日)にその投球を横から見ていたが、とにかく球の伸び方が凄まじい。何よりも、足を高く上げるダイナミックなフォームでありながら体のバランスが崩れず、まとまった滑らかな投球フォームであることが印象的だった。同日は捕手を立たせたまま5分間で25球をテンポ良く投げ、ミットに快音を響かせた。

2月18日の3回目のブルペンでは、4分間の投球後に1分間の休憩を挟み、再び4分間の投球。計44球を投げるなど徐々に強度を高めている。これまでは、吉井理人投手コーチのもと順調にメニューを消化している印象だ。今後も同投手コーチの組んだプログラムにもとづき、周囲に流されることなくステップを踏んでいってほしいと願うばかりだ。

「令和の怪物」と称される佐々木だが、過去にも幾多の高卒の怪物投手が同じ様に注目を集めていた。西武の松坂大輔、日本ハムのダルビッシュ有(現カブス)、楽天の田中将大(現ヤンキース)、日本ハムの大谷翔平(現エンゼルス)といった面々だ。

佐々木のこれからの歩みは気になるところだが、今回は高卒の怪物達のデビュー時期や初登板時の投球内容などを振り返り、プロ入り1年目のスタートがどうだったのかを比較してみたい。

華々しいデビューの松坂、ホロ苦いスタートの田中

まずは「平成の怪物」と称された松坂大輔。初ブルペンの際には今回の佐々木同様に大きな注目を集め、当時の西武・東尾修監督は剛速球を投げ込む松坂に「宝物を見つけたよう」と期待していた。

初登板は1999年4月7日の日本ハム戦。初回にいきなり155kmをマークし、8回2失点で初登板初勝利。4月27日のロッテ戦ではプロ初完封をマークし、7月には月間MVPを受賞。その後も順調に白星を重ね、この年16勝を挙げて高卒の新人ながら最多勝を獲得。さらには新人王、ゴールデングラブ賞、そして高卒新人初となるベストナインも受賞した。

次にダルビッシュ有。2005年1月の新人合同自主トレの際、右膝の関節炎が発覚、春季キャンプは二軍スタートだった。その後、6月に1軍へ昇格すると15日の広島戦で1軍デビュー。8回まで広島打線を完封する快投を見せて初登板初勝利を挙げた。最終的には5勝(5敗)だったが、大器の片鱗を見せ、その後の活躍を予感させた。

松坂やダルビッシュが初登板で快投を披露したのとは逆で、プロの洗礼をいきなり受けたのが田中将大だった。キャンプからアピールに成功し、開幕ローテーション入りを果たした田中は、2007年3月29日のソフトバンク戦で初登板。期待されるも、2回途中6失点でKOされるホロ苦いデビューとなった。

しかし4回目の登板となったソフトバンク戦では9回2失点13奪三振の快投を見せてリベンジに成功。6月13日の中日戦では完封勝利を挙げるなど並みの高卒ルーキーではないことを見せつけた。11勝(7敗)、196奪三振をマークし新人王に輝いた。

田中が久米島キャンプでブルペン入りした際、当時の楽天・野村克也監督は、スライダーを評価。「稲尾(和久)、伊藤(智仁)に匹敵するほど」と認めていたが、田中はその期待に違わぬ活躍を1年目から見せた。

そして記憶に新しいのが大谷翔平。初のブルペン入りの際には捕手を立たせたまま42球を投じ、当時2軍投手コーチで現在も同職を務める加藤武治氏に「リーチが長いのに、あれだけ腕をたたんで投げられる」と体の柔軟性を絶賛された。

初登板となった2013年5月23日のヤクルト戦では5回2失点とまずまずの投球を見せた上、新人投手の初登板としては史上最速となる157kmをマークした。打者としても77試合に出場する二刀流ではあったが、投手として13試合に登板し3勝無敗の数字を残した。

こうして振り返ってみると、それぞれが1年目に何かしらのインパクトを残し、その後のさらなる活躍を予感させている。

デビューの早い遅いは関係ない

佐々木は今後、捕手を座らせた投球、フリー打撃、2軍戦での登板など、綿密に組まれたプログラムに基づいてステップを踏んでいくと考えられる。その一挙手一投足に多くの視線が注がれることになるが、はたしてメンタルを維持していくことができるか。佐々木は「そういうことは気にしないタイプ」と周囲から評されているが、まだ18歳の青年。球団としてもこの野球界の至宝を周囲の雑音から守っていく必要があるだろう。

また、投手はどうしても「投げたくなる」側面があるが、そうした面も制御していかなければならない。まずはプロらしい下半身、フィジカルアップをメインに慎重に育成していくべきだろう。1軍でのデビューを早く見たいという気持ちは誰もが持っているはずだが、それよりも「まずはしっかりと体づくりを」というのが多くのファンの見方だ。

投手と野手の違いはあるが、安田尚憲や藤原恭大にはプロ入り1年目に1軍のレベルを体感させ、その後はじっくりと2軍で鍛える方針を徹底している。高卒の逸材を育成していくビジョンとプランは、1軍・井口資仁監督と2軍・今岡真訪監督を通じてしっかりと共有されており、そうした球団の方針をファンも肌で感じている。

松坂や田中は特に1軍デビューが早かったが、デビューの早い遅いは関係ない。佐々木がフィジカルとメンタルの最も充実した状態でデビューしてくれることがベストだ。そして、ZOZOマリンのマウンドに佐々木が初めて立った時、かつて見たことがないような衝撃を私たちに与えてくれるに違いない。

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