アダム・ジョーンズはWBCに2度出場
オリックスがアダム・ジョーンズの獲得を発表。2年増額8億7000万円(推定)と報道されており、期待の大きさが伝わる。ジョーンズはMLB通算1939安打、282本塁打を誇り、オールスターゲームにも5度出場しているスター選手だ。
アメリカ代表としてのプレー経験もあり、2013年と17年はワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)にも出場している。17年のWBCでは打率.200(35打数7安打)ながら2本塁打を放ち、ドミニカ戦ではマニー・マチャドが放ったホームラン性のあたりをみごとにキャッチ。マチャドは一塁ベースを回ったあたりでヘルメットを取り、ジョーンズへと脱帽したことを覚えている人も多いだろう。
このジョーンズのように、WBCやプレミア12のような国際大会でアメリカ代表経験のある選手が来日したことはあるのだろうか。第1回WBCが開催された2006年以降で振り返ってみたい。
ユーキリス、シャーホルツが来日も結果を残せず
2006年以降、トップチームで行われた主要な国際大会は4度のWBC(2006年、2009年、2013年、2017年)と2度のプレミア12(2015年、2019年)、そして北京オリンピック(2008年)の計7大会。
記念すべき第1回WBC(2006年)のアメリカ代表メンバーは、デレク・ジーター、アレックス・ロドリゲス、チッパー・ジョーンズ、ケン・グリフィー・ジュニアといった錚々たる面々。この中から、後にNPB入りした選手はいない。
2008年に行われた北京オリンピックには、このオフに7年2億4500万ドル(約266億円)でナショナルズと契約を結んだスティーブン・ストラスバーグが出場していた。そのときの代表メンバーには、後に広島へ入団することになるネイト・シア―ホルツが含まれている。オリンピックでは9試合で打率.214(37打数8安打)と苦しんだが、チーム2位となる6打点をマーク。2015年開幕直後にやってきた広島では、65試合の出場で打率.250(232打数58安打)、10本塁打と不完全燃焼に終わり、1年で退団となった。
2009年のWBCに出場した選手からは、ケビン・ユーキリスが2014年に楽天へとやってきた。しかし21試合の出場で打率.215(65打数14安打)、1本塁打と結果を残せず、シーズン途中に帰国しそのまま現役引退となった。
2013年のWBCメンバーでは、ジョーンズの他にライアン・ボーグルソンが日本でのプレー経験がある。ただし、ボーグルソンはジョーンズとは違い、阪神(2007年・2008年)とオリックス(2009年)でプレーした後にメジャーリーグで結果を残し、代表に選ばれたパターンだった。
サターホワイトはプレミア12で代表入り
2015年のプレミア12に出場していたコディ・サターホワイトは、翌2016年のシーズン途中に阪神へ入団。中継ぎとして20試合に登板し、1勝1敗6ホールド、防御率2.57とまずまずの成績を残しているが1年限りで退団。
2019年11月に行われた第2回プレミア12からは、ブランドン・ディクソン(オリックス)。ボーグルソンと同様、日本でプレー後に代表入りを果たした。
このようにこれまでにジョーンズ以外にもアメリカ代表経験者が日本球界にやってきた例はあるが、主力として大活躍するといった成績を残すには至っていない。ジョーンズはどのような成績を残すことができるだろうか。
【主要国際大会・アメリカ代表経験者のNPB入り】
ネイト・シアーホルツ(広島)※2008年北京オリンピック
(2015年)
65試合/打率.250(232打数58安打)/10本塁打/30打点
ケビン・ユーキリス(楽天)※2009年WBC
(2014年)
21試合/打率.215(65打数14安打)/1本塁打/11打点
コディ・サターホワイト(阪神)※2015年プレミア12
(2016年)
20試合/1勝1敗/21回/奪三振18/与四球8/防御率2.57
アダム・ジョーンズ(オリックス)※2013年・2017年WBC
(2020年)
???
※数字は2019年シーズン終了時点
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