平成のパ・リーグで最も得点力があったチームは
平成30年間の最強打線はどのチームだったのだろうか。プロ野球は時期によって打者有利・投手有利の傾向があり、数字を眺めるだけでは決められない部分もあるが、シンプルに最も多く得点を挙げたチームを探してみたい。試合数は変動があるため、1試合あたりの得点数で上位チームを振り返る。今回はパ・リーグ編。
平成30年間の最強打線はどのチームだったのだろうか。プロ野球は時期によって打者有利・投手有利の傾向があり、数字を眺めるだけでは決められない部分もあるが、シンプルに最も多く得点を挙げたチームを探してみたい。試合数は変動があるため、1試合あたりの得点数で上位チームを振り返る。今回はパ・リーグ編。
5位は2001年の近鉄。「いてまえ打線」と呼ばれ伝統的に猛打を武器にしたチームの歴史の中でも、特に際立った攻撃力を発揮した。チーム本塁打211本は平成のパ・リーグでトップ。チーム防御率4.98はこのシーズンの両リーグワーストであり、平成の両リーグでワースト5位。その投手陣でリーグ優勝を果たした。
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打線の中心は3番T・ローズと4番中村紀洋。ローズが当時のプロ野球記録に並ぶ55本塁打、131打点、中村が46本塁打、132打点。2人で101本塁打、263打点という驚異的な打撃成績を残している。2人に続く礒部公一も打率.320、95打点。トップバッターの大村直之が16本塁打、6番以降の吉岡雄二、川口憲史も20本塁打以上をマークし、どこからでも一発を狙うことができた。
4位で「山賊打線」と呼ばれた2018年の西武が登場する。チーム本塁打は平成のパ・リーグで5位の196本、一方でチーム盗塁数も132個。チーム本塁打200本に迫る重量打線としては異例の盗塁数を記録し、打力だけでなく機動力も大きな武器となった。一方で投手の方はチーム防御率4.24。近鉄以来のチーム防御率ワーストでリーグ優勝を果たした。
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昨季のチームとあり、改めて振り返るまでもないかもしれないが、主な打者を述べると4番の山川穂高が47本塁打で本塁打王。3番の浅村栄斗は127打点で打点王を獲得し、トップバッターの秋山翔吾が打率.323、24本塁打、82打点とクリーンナップ並みの成績。
5番以降も中村剛也が28本塁打、森友哉、外崎修汰も2桁本塁打をマークするなど下位打線まで一発の脅威が続き、辻発彦監督は「クリーンナップが2つあるようなもの」と自軍の打線を評価している。
3位はダイエーホークスとして最終年、2004年の「ダイハード打線」。パ・リーグ歴代2位のチーム打率.292、チーム本塁打も平成のパ・リーグで10位となる183本を記録した。主砲の松中信彦が平成唯一の三冠王に輝いたシーズンだ。
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松中は打率.358、44本塁打、120打点と圧倒的な成績を残し、三冠に加え最多安打(171本)、最高出塁率(.464)も獲得。その前後を井口資仁と城島健司が囲んだ。3番・井口が打率.333、24本塁打、5番・城島が打率.338、36本塁打。打率3割3分以上、合計104発という驚異的なクリーンナップが形成された。さらに、6番以降のズレータも37本塁打、100打点をマークし、上位では川﨑宗則が42盗塁で盗塁王に輝くなど、クリーンナップ以外も優秀な成績を残している。
2位は2000年の日本ハム「ビッグバン打線」。チーム打率.278、チーム本塁打177本、チーム盗塁107個と各分野でバランス良く高水準な数字を残している。1番から強打者が切れ目なく並び、打順関係なくどこからでも点が取れる打線だった。
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その象徴が、2番・小笠原道大だ。チームトップの打率.329、102打点とチーム2位の31本塁打を記録。もちろん犠打はゼロ。現在まで「攻撃型2番」の代名詞的存在となっている。小笠原に続く片岡篤史、オバンドー、ウィルソンのクリーンナップは計88本塁打、287打点をマーク。1番や下位打線に入った井出竜也、田中幸雄、野口寿浩らも中距離打者の成績を残している。
平成のパ・リーグで得点力トップを誇ったのは2003年ダイエー。松中が三冠王を獲得する1年前のシーズンである。チーム本塁打は154本で2004年よりも少なかったが、チーム打率はプロ野球史上最高の.297を記録。チーム盗塁も2018年西武を上回る147個を成功させ、圧倒的な戦いぶりで日本一を達成した。
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メンバーは前述した2004年時のほかに、打率.324を打った村松有人がいた。村松はトップバッターとして32盗塁を成功させ、2番・川崎が30盗塁、3番・井口が42盗塁と上位3人が30盗塁以上。そして井口から松中、城島、バルデスと続く4人が100打点を達成し、プロ野球史上初の「100打点カルテット」を形成した。