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2002年巨人が平成セ・リーグ最強か 「得失点差」で見る圧倒的優勝チーム

2019 4/7 07:00青木スラッガー
得失点差ランキングトップ10
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得失点差から圧倒的戦力を誇ったチームを探る

平成の30年間で、いつのシーズンに優勝したチームがセ・リーグで最も強かったのだろう。勝率で比較するのがシンプルだが、今回は得失点差に注目し、比べてみたい。この差が大きいチームほど、圧倒的な戦力差で優勝を成し遂げたといえるだろう。1989年からのリーグ優勝チームに関して順位付けを行い、トップ3を順番に紹介していく。

3位:2017年広島 プラス196点

チームデータ

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3位はプラス196点で2017年の広島だ。勝率も連覇した3シーズンで最も高い.633。唯一、日本シリーズ進出を逃したとはいえ25年ぶりにリーグ優勝を果たした2016年に比べると、打撃陣も成長を見せており、戦力的には最も充実していた。

得点は2016年の684から736にまで向上。1番の田中広輔から菊池涼介、丸佳浩、鈴木誠也までは前年と同程度の活躍だったが、安部友裕や松山竜平、バティスタらが飛躍。これが得点増に大きく影響したと考えられる。

主な打者

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一方、投手陣は前年の沢村賞左腕・ジョンソンが不調だったが、大瀬良大地、岡田明丈、薮田和樹、九里亜蓮ら若手が次々と台頭し、ローテーションを埋めた。リリーフも50登板以上の中﨑翔太ら5人が、防御率2点台以下に抑える盤石ぶりだった。

主な投手

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2018年の広島は2017年と比べ、ローテーション投手の不調やリリーフの疲弊が目立ち、失点が100以上も増加。その影響で、得失点差もプラス70点まで下がってしまった。3連覇こそ達成したものの懸念材料も出てきたシーズンであり、今季はそこからどれだけ立て直せるのか注目していきたいところだ。

2位:2005年阪神 プラス198点

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2位はプラス198点で2005年の阪神。岡田彰布監督の就任2年目で2年ぶりのリーグ王者となった。だが、このシーズン以降、阪神はリーグ優勝から遠ざかっている。

主要なメンバーは、18年ぶりにリーグ優勝を飾った2003年と大きく変わらなかった。赤星憲広が3年連続の60盗塁を達成し、金本知憲が打率.327、40本塁打、125打点とキャリアハイの成績を残した。2003年に1番だった今岡誠は5番に移り、打率.279ながら勝負強い打撃で脅威の147打点をたたき出している。

2003年に在籍していなかったメンバーでは、2年目の鳥谷敬が遊撃手レギュラーに定着。広島から移籍したシーツも、3番打者として19本塁打と結果を残している。

主な打者

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このように打撃陣にはスター選手も多く強力な打線を形成していたが、それ以上に印象的だったのがリリーフ投手陣だろう。藤川球児が80登板で防御率1.36、久保田智之が68登板で防御率2.12、ウィリアムスが75登板で防御率2.11と抜群の数字を残し、このシーズンに「JFK」の呼び名が誕生した。

主な投手

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チーム打率.290を残した2010年時の方が1試合あたりでの得点数が多く、攻撃力で勝っていたが、チーム防御率がリーグ4位の4.05と投手陣が奮わなかった。一方、2005年はチーム防御率がリーグダントツの3.24を記録しており、投打のバランスもとれた良いチームだったことがわかる。

1位:2002年巨人 プラス206点

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トップは2002年の巨人。今季復帰した原辰徳が、監督就任1年目のシーズンでいきなり日本一へ上り詰めた年だ。平成のセ・リーグ優勝チームで、プラス206点は唯一の200点オーバーとなっている。

この年がメジャー移籍前最後のシーズンだった松井秀喜は、打率.334、50本塁打、107打点と圧巻の成績を残した。他にも、清水隆行、阿部慎之助、高橋由伸、二岡智宏、仁志敏久など、生え抜きの打者が中心となって活躍したシーズンだった。

主な打者

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得点力のみで見ると「ミレニアム打線」と呼ばれた2000年の日本一チームや、リーグ順位は3位ながらチーム本塁打259本のプロ野球記録を作ったシーズンの方が強力だった。ただ、この2002年のチームは、チーム防御率3.04と投手陣が安定していた。

主な投手

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17勝で沢村賞に選出されたエース上原浩治を中心に、髙橋尚成、工藤公康、桑田真澄の4本柱が盤石。巨人は平成に入ってから12回のリーグ優勝を達成したが、その中で戦力のバランスの良さでは屈指のチームだったといえる。

得失点差ランキングトップ10

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