光る若手、田中和基と内田靖人
2017年は3位だったが、2018年は開幕から低迷した楽天。6月半ばには、成績不振の責任を取る形で梨田昌孝監督が辞任する事態となった。平石洋介監督代行がチームを率い立て直しを図ったが、巻き返すことはできずリーグ最下位に終わっている。
特に打線がつながらなかった2018年のチーム得点は520、そして打率が.241と、ともにリーグ最下位。勝負事に「たられば」は禁物だが、チーム防御率3.78はリーグ3位だっただけに、打撃陣の奮起があれば違った結果になっていたのかもしれない。
しかし、打撃陣にも希望の光はあった。大卒2年目の田中和基が6月半ばあたりから「1番・中堅」に定着し、規定打席に到達。打率.265(423打数112安打)、18本塁打、21盗塁の結果を残し、パ・リーグ新人王に輝いた。出塁率.323は1番打者として物足りないが、大卒2年目でレギュラーとしては1年目ということを考えれば、上々の数字と言っていいだろう。この活躍が稲葉篤紀監督の目に止まり、11月に行われた日米野球では日本代表にも選ばれている。ここでの経験も田中にとって大きな財産となったはずだ。
高卒5年目の内田靖人も殻を破りつつある。2013年ドラフト2位で常総学院高から楽天へ入団。高校時代の捕手からプロ入り後に内野手へ転向したものの思うように結果はついてこず、4年目まではわずか24試合の出場に留まっていた。
ところが、2018年シーズンは自己最多の58試合に出場し、12本塁打を放った。打率こそ.198とまだまだ改善の余地はあるが、12本塁打はチーム内の日本人では田中に次いで2位。大砲候補が覚醒の兆しを見せたと言っていいだろう。