「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

中井大介がDeNAへ!過去、トライアウトから契約を勝ち取った選手のその後は?

2018 11/25 11:00勝田聡
ボール,ⒸShutterstock

中井大介がDeNAと支配下契約

ストーブリーグの目玉である浅村栄斗(西武)の楽天移籍が決まり、移籍市場が動きだした。丸佳浩(広島)、西勇輝(オリックス)、炭谷銀仁朗(西武)といった、その他の選手も日々、様々なメディアが注目している。しかし、移籍市場にいるのはFA宣言をした選手だけではない。来シーズンへの生き残りをかけ、12球団合同トライアウトを受けた選手たちにも注目が集まっている。

11月13日に行われたトライアウトには48人の選手が参加した。11月20日時点で正式に契約を勝ち取ったのは中井大介(巨人→DeNA)ただひとりとなっており、厳しい状況なのは間違いない。しかし、廖任磊(巨人)を西武が獲得する予定だという報道もあり、まだその他の選手にもチャンスがありそうだ。

再契約を勝ち取るのが至難の業となっているトライアウトから移籍を果たした選手たちは、翌年にどのような成績を残しているのだろうか。過去3年(2015年〜2017年)の合格者を振り返ってみたい。

ヤクルト田代将太郎は移籍初年度にキャリアハイ

野手陣を見ると、今シーズンが移籍1年目となった田代将太郎(西武→ヤクルト)の活躍が光る。

田代は開幕一軍をつかむと、キャリアハイとなる73試合に出場。おもに試合終盤の守備固めや代走として起用され、チームの2位躍進に大きく貢献した。西武時代は6年間で通算7安打だったが、移籍1年目の今シーズンは10安打を放っており打撃面でもアピールした。来シーズンも控えからのスタートが濃厚だが、年齢層の高い外野陣だけに出場機会は多そう。トライアウトからの移籍が成功した好例と言っていい。

トライアウトで入った野手成績

ⒸSPAIA

田代と同じく、昨オフのトライアウトを経てDeNAから阪神へと移籍した山崎憲晴。故障もあり2016年、2017年と一軍出場機会はなかったが、移籍1年目の今シーズンは3年ぶりに32試合に出場した。すでに来シーズンの契約更改も終わっており、推定200万円アップの年俸1200万円となった。来シーズンも続けて好結果を残したい。

2015年オフのトライアウトで契約を勝ち取った鵜久森淳志(日本ハム→ヤクルト)も移籍後初年度から結果を残した。主に右の代打として起用され、キャリアハイとなる46試合に出場。移籍後3シーズンで記録した58安打は、11年間プレーした日本ハム時代の53安打を超えている。しかしこのオフに戦力外となり、再びトライアウトを受験することとなった。2度目となるトライアウトからの契約奪取となるかに注目が集まっている。

楽天・久保裕也は中継ぎとしてチームに貢献

ここ3年でトライアウトから再契約を勝ち取った投手は4人しかいない。それも3人はトライアウト後の球団テストを受けてからだった。

トライアウトで入った投手成績

ⒸSPAIA

そのひとりが大隣憲司(ソフトバンク→ロッテ)だ。ソフトバンク時代はローテーション投手として活躍したが、黄色靱帯骨化症を発症し、リハビリの日々が続いていた。トライアウト、入団テストを経て今シーズンからロッテに加入。しかし、2試合で0勝2敗と結果を残せず、今シーズン限りで現役引退となった。

2016年にDeNAから戦力外通告を受けた久保裕也(楽天)もトライアウト、テストを経ての入団。崖っぷちから、移籍初年度の2017年から27試合に登板し、中継ぎの一角として戦力となった。シーズン終盤に血行障害の症状が出たことで、再び育成契約となったが、今シーズン途中に支配下登録を勝ち取ると、25試合で防御率1.71と昨シーズン以上の成績を残している。松坂世代ということもあり、年齢的にはベテランだが、まだまだその力は健在だ。近年のトライアウト組のなかでは大成功の部類に入るだろう。

2015年のトライアウトから育成契約を勝ち取ったのがウーゴ(ヤクルト→巨人)だ。翌年に支配下登録されたが、一軍での登板はなく、そのオフに再び戦力外通告を受けた。

ウーゴと同じく2015年のトライアウトでは山内壮馬(中日→楽天)もテストを経て楽天に入団。しかし、1試合のみの登板に終わり、同年オフに引退した。

このようにトライアウトから契約を勝ち取っても満足な成績を残せず、短年で再び戦力外となる選手も少なくない。また、トライアウトから契約を勝ち取っても、そこがゴールではない。一軍出場を果たすには、球団内の競争を勝ち抜いていかなければならない。今シーズンのトライアウト組からは何人が契約を勝ち取り、その先の一軍出場をつかむことができるだろうか。その動向を見守りたい。

 コメント(0件)