2018年にルーキーで開幕スタメン、千賀滉大からプロ初安打
2024年の現役ドラフトでオリックスの山足達也内野手(31)が広島に移籍することになった。派手さはないものの堅実なプレーでチームを支えてきた“守備職人”。スポットライトが当たることの少ない山足の守備について、データで振り返ってみた。
大阪府枚方市出身の山足は大阪桐蔭高2年春のセンバツに出場。3年夏は大阪大会決勝で石川慎吾(現ロッテ)を擁する東大阪大柏原にサヨナラ負けで涙を呑んだ。
立命館大では4年春秋に2季連続でベストナインに選出。2015年ドラフト1位で巨人入りした桜井俊貴は同学年のチームメイトだった。
本田技研鈴鹿でも2年連続で都市対抗出場などの活躍を見せ、2017年ドラフト8位でオリックスに入団。2018年3月30日の開幕戦に2番セカンドでスタメン出場し、プロ初打席でソフトバンク・千賀滉大からこの試合でチーム唯一の安打となる中前打を放った。
以降、プロ7年間で283試合に出場し、打率.195、4本塁打、23打点。鉄壁の守備がファンから支持され、SNSで「#時代は山足」がトレンド入りしたこともある。
7年間でわずか5失策、通算守備率.991
守備は数字に表れない部分が多いため評価が難しいが、山足は内野の全ポジションで高い守備率を誇っている。7シーズンのポジション別守備成績は下の通りだ。
本職のセカンドでは通算378守備イニングでわずか3失策。守備率は.987を誇る。さらに2番目に多い247.1守備イニングのファーストではいまだノーエラー。驚異の守備率10割だ。
サードでも196守備イニングで1失策、ショートでも121.2守備イニングで1失策。全ポジションを合わせてもわずか5失策、通算守備率は.991と高い。
2021年4月27日の楽天戦(京セラドーム大阪)にサードで失策を記録してから、2024年5月23日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)にセカンドで失策を記録するまで、3年以上ノーエラー。その堅実さは球界でも指折りだ。
菊池涼介とともに鉄壁の内野陣形成へ
広島には2013年から2022年まで10年連続ゴールデングラブを受賞した菊池涼介がいる。2020年には873守備イニングでノーエラー、守備率10割を叩き出した球界随一の名セカンドだ。
「守備にスランプなし」の格言通り、34歳の現在も華麗な守備でファンを魅了しているが、2024年は1122守備イニングで7失策、守備率.989だった。プロ13年間の通算守備率.990と山足をわずかに下回っている。
もちろん、出場試合数が違うため一概に比較はできないが、山足が球界屈指の名手・菊池と遜色のない成績を残していることは確かだ。
広島の内野では、サードを守ることの多い小園海斗が2024年セ・リーグワースト4位タイの15失策、ショートの矢野雅哉が同6位タイの12失策を記録。内野ならどこでも守れる山足はオリックス以上に重宝されるかもしれない。
2024年はシーズン終盤の急失速で優勝争いから脱落した広島。勝てる試合を守乱で落としたケースもあっただけに「#時代は山足」の再来が期待される。
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