2010年に本塁打王、通算204発のスラッガー
オリックスは8日、T-岡田外野手(36)が今季限りで現役引退することを発表した。
T-岡田は履正社高時代に通算55本塁打を放ち、大阪桐蔭の平田良介、辻内崇伸、近大付の鶴直人とともに「浪速の四天王」と呼ばれた。
2005年高校生ドラフト1巡目でオリックスに入団すると、レギュラーをつかんだ2010年に33本塁打でタイトルを獲得。その後もタイトルにこそ届かなかったものの2014年に24本塁打、2017年に31本塁打を放つなどプロ19年間で通算204本塁打、715打点をマークした。
2021年は17本塁打を放って25年ぶりのリーグ優勝に貢献したが、昨季は20試合出場でノーアーチ、今季もわずか3試合、5打数無安打で二軍暮らしが続いていた。
2010年は12球団トップの3ラン9発
T-岡田の2010年をデータで振り返ってみると、改めて勝負強さが浮き彫りになる。
坂口智隆(5本塁打)、後藤光尊(16本塁打)、カブレラ(24本塁打)、北川博敏(12本塁打)、バルディリス(14本塁打)らが並んだ打線の中でも、突出していたのが走者を置いた場面での本塁打の多さだ。
33本塁打のうちソロは13本にすぎず、2ランが10本、3ランが9本、満塁弾が1本あった。3ラン9本は12球団トップだった。
6本で2位の多村仁志(ソフトバンク)、スレッジ(横浜)、阿部慎之助(巨人)、ラミレス(巨人)と比べても、いかにチャンスでファンが待ち望む一発を放り込んだかがよく分かる。
阿部慎之助は44本中ソロが29本、ラミレスは49本中ソロが28本。同じ本塁打でもチャンスで打つからこそ、打点も96と多く、ファンを沸かせたのだ。
得点圏に走者がいる場面で12発
また、得点圏に走者がいる場面で12本塁打、走者2人以上いる場面で10本塁打放っており、いずれも両リーグトップだった。
2位は得点圏に走者がいる場面で10本塁打のラミレスと和田一浩(中日)、4位タイは8本塁打の阿部慎之助、坂本勇人(巨人)、ブランコ(中日)、城島健司(阪神)、新井貴浩(阪神)、ブラウン(西武)、多村仁志といずれも当時の球界を代表するスラッガーだ。
当時22歳だったT-岡田の放つ輝きはあまりにも眩しかった。2010年のインパクトが強すぎたため、その後の印象が薄いようにも感じられるが、「浪速の四天王」では誰よりも長く現役を続けた。
ドラフト同期で今も現役でプレーしているのはチームメイトの平野佳寿、炭谷銀仁朗(西武)、川端慎吾(ヤクルト)、大和(DeNA)らごくわずかだ。
勝負強い打撃と美しい放物線でファンを魅了した希代のスラッガー。フルスイングで真っ向勝負の打撃スタイル同様、オリックスひと筋に現役を貫いたT-岡田がついにユニフォームを脱ぐ。
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