セ・リーグトップの岡本和真は79打点ペース
プロ野球の2024年シーズンも残りわずかとなり、タイトル争いは激しさを増している。
セ・リーグでは巨人・岡本和真が打点王争いでトップを走るが、123試合消化時点で68打点とスローペース。現在のペースなら残り試合にフル出場しても79打点にとどまることになる。
近年、3割打者が激減するなど急速に「投高打低」が進んでいるが、それでも昨季の岡本は自身初の40本超えとなる41本塁打でタイトルを獲得し、打点もセ・リーグ2位の93打点をマークした。
しかし、今季は7年連続30本塁打も危うい状況で、仮に打点王に輝いたとしても記録的に少ないシーズンとなる可能性が高い。そこで1950年の2リーグ分立以降、少ない打点でタイトルを獲得した選手を調べてみた。セ・リーグのランキングは以下の通りとなっている。
セ・リーグ歴代最少打点王は宮本敏雄の69
見ての通り、上位は1950年代から60年代前半が占めている。セ・リーグ歴代最少は1956年の宮本敏雄(巨人)で69打点。ハワイ出身で1955年に巨人入りすると、2年目の1956年に19本塁打、69打点をマークした。翌1957年も歴代3番目に少ない78打点で2年連続タイトルを獲得している。
2番目に少ない打点王は、1960年の藤本勝巳(阪神)で76打点だった。同年は22本で本塁打王と打点王の二冠に輝いている。長嶋茂雄のサヨナラ本塁打でかき消されたが、実は1959年6月25日の天覧試合で藤田元司から一度は逆転となる2ランを放った強打者だった。
「打撃の神様」川上哲治(巨人)は1955年に79打点でタイトルに輝いた。同年は打率.338で首位打者も獲得している。
世界の王貞治(巨人)も初めてタイトルを獲得した1962年は85打点と少なかった。本塁打も38本で二冠王に輝き、通算868本塁打、2170打点を挙げる大打者へのスタートとなったシーズンと言える。
パ・リーグ歴代最少打点王はイチロー、初芝清、田中幸雄の80
パ・リーグのランキングも見ていこう。少ない打点でタイトルを獲得したランキングは以下の通りとなっている。
パ・リーグ歴代最少は打点王が3人誕生した1995年。イチロー(オリックス)、初芝清(ロッテ)、田中幸雄(日本ハム)が80打点で並んだ。3人とも本塁打数も同じ25本という不思議な巡り合わせだった。
1976年の加藤秀司(阪急)は82打点でタイトルを獲得。97打点だった前年に続いて2年連続の打点王となり、1979年にも104打点で3度目の打点王に輝いている。
ここからは全員が1950年代の記録だ。1958年の葛城隆雄(大毎)は85打点、1952年の飯田徳治(南海)は86打点、1953年の中西太(西鉄)も86打点で打点王となった。
岡本和真は過去2度、打点王に輝いており、2020年は97打点、2021年は113打点だった。もし80打点未満で打点王に輝けば、1960年の藤本勝巳(阪神)以来64年ぶりの珍記録となる。
※成績は2024年9月7日終了時点
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