近藤健介はタイトル独占の可能性も
前半戦が終了したプロ野球。パ・リーグは首位・ソフトバンクが2位・ロッテに10ゲーム差をつけて独走している。2位から5位・オリックスまでは5.5差と混戦のため後半戦はクライマックスシリーズ進出争いが激しくなりそうだ。
SPAIAでは毎週、wRAAを集計して打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として紹介しているが、今回は「前半戦MVP」を調べてみた。球団別ではなく、リーグのwRAAベスト5を紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
ぶっちぎり1位でパ・リーグMVPに輝いたのはソフトバンクの近藤健介。wRAAは驚異の37.30で、セ・リーグMVPのオースティンより10近く高い。
それもそのはず、ここまで87試合に出場して打率.321(リーグ1位)、13本塁打(リーグ2位タイ)、49打点(リーグ3位タイ)、95安打(リーグ2位)、58四球(リーグ1位)と三冠王も狙える成績。
昨季は首位打者だけ惜しくも逃し、本塁打王、打点王、最高出塁率のタイトルを獲得したが、今季は逆にパ・リーグ唯一の3割打者となっており、首位打者が最も当確に近い。タイトル独占も十分にあり得る状況だ。
記憶に残るロッテ岡大海、楽天の同期生・小郷裕哉と辰己涼介は打線牽引
2位はwRAA20.51のロッテ岡大海が入った。プロ11年目の今季は打率.287、6本塁打、26打点。5月19日の日本ハム戦ではサヨナラ本塁打を放つなど記憶に残る活躍をしている。後半戦も「ヒロミナイトフィーバー」を巻き起こすか。
3位は楽天の小郷裕哉でwRAA15.45。ここまでリーグトップの97安打を放っており、打率.277、6本塁打、36打点、20盗塁の好成績。切り込み隊長としてチームに大きく貢献している。
4位も楽天の辰己涼介が入った。リーグ3位の打率.296、3本塁打、35打点、11盗塁をマークしており、wRAA15.42となっている。同学年で同期入団の小郷とともに打線を牽引している。
柳田悠岐が5位、栗原陵矢、水谷瞬、角中勝也が続く
5位はソフトバンク柳田悠岐。右太もも裏の肉離れで6月1日に登録抹消されるまで48試合で打率.293、4本塁打、35打点、wRAA13.54をマークしていた。レギュラーシーズンの復帰は絶望的と見られているが、ポストシーズンでの復活が期待される。
6位以下はソフトバンク栗原陵矢(wRAA13.08)、日本ハム水谷瞬(wRAA12.01)、ロッテ角中勝也(wRAA11.29)と続いている。
ちなみにオリックスのトップは西野真弘(wRAA9.74)、西武のトップは平沼翔太(wRAA1.51)となっている。奇しくも下位2チームは各打者のwRAAも低い。特に最下位の西武は5位に13.5差と引き離されており、後半戦は意地を見せたい。
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