打率.302、15本塁打のオースティンはwRAA27.54
前半戦が終了したプロ野球。セ・リーグは首位・巨人から最下位・ヤクルトまで9.5差と混戦が続いている。
SPAIAでは毎週、wRAAを集計して打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として紹介しているが、今回は「前半戦MVP」を調べてみた。球団別ではなく、リーグのwRAAベスト5を紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
栄えある前半戦MVPに輝いたのはDeNAのタイラー・オースティン。右太もも裏を痛めて離脱した時期もあったため規定打席には到達していないものの、58試合出場で打率.302、15本塁打、37打点をマークしており、wRAA27.54はセ・リーグトップだ。
中でも6月は月間打率.346、5本塁打、17打点と打ちまくった。Bクラスをさまよっていたチームもオースティンの調子と同じく上昇曲線を描き、一時は2位まで浮上。首位と2.5差の3位で前半戦を終えた。26年ぶりのリーグ制覇へ、後半戦も5年目助っ人にかかる期待は大きい。
サンタナ、村上宗隆のヤクルト勢も好成績
2位は中日・細川成也。wRAA27.04とトップのオースティンとほとんど差はない。現役ドラフトで加入した昨季は24本塁打を放ってパワーヒッターとしての素質を開花させたが、今季はリーグトップの98安打、同3位の打率.301と確実性もアップ。7月19日に一軍復帰した中田翔とともに、後半戦は自らのバットでチームを押し上げることができるか。
3位はヤクルトのドミンゴ・サンタナが入った。右に左に打ち分ける広角打法でリーグトップの打率.315、11本塁打、42打点、wRAA26.99をマーク。7月15日に登録抹消されたが、長期離脱の心配はなさそうだ。
昨季まで週間MVPの常連だったヤクルトの村上宗隆はwRAA24.65で4位。一昨年の三冠王も今季は87試合出場で打率.241にとどまっているものの、17本塁打でリーグトップに立っている。6月は3本塁打、7月は2本塁打と苦しんでいるが、やはり村上が打たないとチームも勢い付かない。後半戦の大爆発をファンは待っている。
巨人・岡本和真も5傑入り、丸佳浩、宮﨑敏郎、牧秀悟が続く
5位は巨人の岡本和真でwRAA24.38。昨季の本塁打王は今季89試合に出場して打率.268、16本塁打、リーグトップの54打点をマークしている。V奪回に向けて後半戦も岡本の活躍は欠かせない。
ちなみに6位以下は巨人・丸佳浩(wRAA20.92)、DeNA宮﨑敏郎(wRAA20.25)、同じくDeNA牧秀悟(wRAA20.23)と続く。
広島のトップは野間峻祥でwRAA11.86、阪神のトップは近本光司でwRAA11.49となっている。この辺りはチーム順位と比例しておらず、4番などの主軸が獅子奮迅の働きをしているチームもあれば、全体のつながりで戦うチームもあることを物語っている。
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