昨季126試合出場で打率.263をマークした門脇誠
4年ぶりのV奪回を目指す巨人でキーマンの一人が門脇誠だろう。創価大からドラフト4位で入団した昨季はルーキーながら126試合に出場。岡本和真をファーストに追いやってサードを守り、坂本勇人をサードに追いやってショートも守るなど、実績のあるレギュラーからポジションを奪って打率.263、3本塁打、21打点、11盗塁をマークした。
走攻守3拍子揃った野球センスに加え、高校1年夏の西東京大会から大学4年秋のリーグ戦まで公式戦116試合全てフル出場し、原辰徳前監督から「ストロング門脇」と呼ばれたタフネスも持ち味。「2年目のジンクス」ではなく、2年目のさらなる飛躍が期待されている。
昨オフは、球団の新人野手では歴代1位となる269%アップの推定年俸3100万円で契約を更改。背番号35から5に変更されたのも球団の期待の表れだ。
岡崎郁以降の「5」は清原和博、中島宏之と助っ人外国人
巨人の背番号5を生え抜き選手がつけるのは、1996年に引退した岡崎郁以来28年ぶり。意外な気もするが、大物が背負う番号だからこそ、移籍組や外国人が多かった。
古くは1950年代の岩本堯や、1960年代の柳田利夫、その後を受け継いだ黒江透修らが背負い、1980年代は門脇のショートの大先輩にあたる河埜和正が背負った。
1988年に背番号45から5に変更したのが先述の岡崎郁。主軸として通算1156試合に出場し、1294安打を放った巧打者だった。
岡崎の引退に伴い、1997年から背負ったのが清原和博だ。清原がオリックス移籍した2006年はジョー・ディロン、その後もジェレミー・ゴンザレス、アレックス・ラミレス、ホセ・ロペス、フレデリク・セペダ、ギャレット・ジョーンズ、アレックス・ゲレーロと外国人が続いた。
2019年からは中島宏之。昨季限りで戦力外となり、中日に移籍したベテランに代わって門脇が受け継ぐことになった。
低めの見極めが課題、阪神・才木浩人には10タコ
門脇が不動のレギュラーになるための課題はどこにあるだろうか。2023年のストライクゾーンを9分割したコース別打率は下の通りとなっている。

一目瞭然だが、高めは打率3割以上を示す赤色に染まっており、外角低めは打率2割未満を示す青色になっている。得意の高め以外、特に低めをいかに拾えるかは課題だろう。
細かく見ていくと、外角低めは65打数12安打の打率.185で、17三振を喫している。昨年喫した58三振のうち3割近くはこのコースだ。
さらに内角低めも20打数4安打の打率.200で9三振。意外にど真ん中も37打数8安打の打率.216と打てていない。
門脇は左打ちだが左腕は苦にしておらず、対右投手は217打数57安打の打率.263、対左投手は99打数26安打の打率.263とほぼ同率。ただ、対戦チーム別では阪神戦が打率.157と唯一の1割台となっている。中でもフォークを武器にする右腕・才木浩人には10打数無安打とカモにされており、低めの打率が低いことはその辺りも原因だろう。
とはいえ、まだ2年目の23歳。プロの投手の攻め方などに慣れれば課題解消される期待は十分にある。門脇の背中の「5」が板についてくるかどうかは、新生・阿部巨人のカギを握っていると言えそうだ。
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