日本一の阪神から中継ぎ右腕を2人獲得
2023年は2年連続となる4位に終わった巨人。原辰徳監督が球団史上2度目の2年連続Bクラスとなった責任を取る形で退任し、2024年シーズンは阿部慎之助新体制で再浮上を狙う。
今オフは昨年リーグ5位のチーム防御率3.66に終わった投手陣の立て直しへ、特に12球団ワーストの救援防御率3.81だったブルペン強化に動いている。11月上旬に2件のトレードを成立させると、現役ドラフトでは馬場皐輔、新助っ人として自由契約となっていたカイル・ケラーと、昨年日本一となった阪神のリリーフ右腕を2人獲得することにも成功した。
新加入選手は以下の通り。
【トレード】
高橋礼投手(28)ソフトバンク
泉圭輔投手(26)ソフトバンク
近藤大亮投手(32)オリックス
【外国人】
カイル・ケラー投手(30)阪神
ルーグネッド・オドーア外野手(29)パドレス
エスタミー・ウレーニャ内野手(24)※育成契約 楽天
【現役ドラフト】
馬場皐輔投手(29)阪神
【他球団戦力外】
舟越秀虎外野手(22)※育成契約 ソフトバンク
【ドラフト】
1位:西舘勇陽投手(21)中央大
2位:森田駿哉投手(26)Honda鈴鹿
3位:佐々木俊輔外野手(24)日立製作所
4位:泉口友汰内野手(24)NTT西日本
5位:又木鉄平投手(24)日本生命
育成1位:三浦克也投手(22)東京国際大
育成2位:村山源内野手(18)鹿屋中央高
育成3位:宇都宮葵星内野手(19)愛媛マンダリンパイレーツ
育成4位:田上優弥内野手(18)日大藤沢高
育成5位:園田純規投手(18)福岡工業大学附属城東高
育成6位:千葉隆広投手(18)旭川明成高
育成7位:平山功太外野手(19)千葉スカイセラーズ
トレードでは高橋礼、泉圭輔、近藤大亮の3投手を獲得した。髙橋は2019年に12勝6敗、防御率3.34で新人王を獲得したサブマリン。近年は不調続きで2023年は5登板、0勝2敗、防御率10.80の成績に終わった。本来の投球を取り戻し、戸郷翔征、山崎伊織らが有力な先発ローテーション入りに期待がかかる。
泉は2年目の2020年から3年連続30試合以上に登板し、ソフトバンクのブルペンを支えたリリーバー。ただ、昨年はわずか3登板、防御率16.68と振るわなかった。近藤も中継ぎとして2017年から3年連続で50試合登板を果たしたタフネス右腕だが、昨年は12登板で0勝1敗、防御率5.11だった。ともに新天地で心機一転、再起を図る。
前阪神のケラーは、来日後の2年間通算で61試合に登板し、4勝2敗4セーブ13ホールド、防御率2.59。昨年は27試合に登板し1勝0敗1セーブ、防御率1.71の好成績を残していた。NPBでの実績十分の助っ人右腕には勝ちパターン入りが期待される。
現役ドラフトで獲得した馬場は、投手層が厚い阪神ではなかなか出番に恵まれなかったが、昨年も19試合に登板して防御率2.45と安定した投球を見せていた。巨人ではブルペンの一員としてフル回転し、キャリアハイの数字を狙いたい。
ドラフトでは1位で阿部監督の大学の後輩にあたる西舘勇陽の獲得に成功。さらに、2位以下の4選手は全て社会人チームから指名する即戦力ドラフトを敢行。4年ぶりのV奪回へ全精力を注ぎ込んで、戦力の底上げを図っている。