新庄体制3年目、結果が求められるシーズン
2年連続最下位からの逆襲を目指す2024年の日本ハム。3年目の新庄ファイターズは「大航海」を掲げて歓喜の秋へと突き進む。
オフにはエース・上沢直之がポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を表明、マイナー契約にはなったもののレイズへの入団が決まった。それでも、オリックスからFA宣言した山﨑福也の争奪戦を制し、昨季11勝を挙げた左腕を迎え入れることに成功している。
加えて新外国人としてパトリック・マーフィーとアニュラス・ザバラという2枚を補強し、さらには過去にチームに在籍したドリュー・バーヘイゲンの“復帰”も決定。ドラフトでも1位の競合抽選に2度敗れながら最速158キロを誇る剛球左腕・細野晴希を獲得しており、マイナスを埋めるだけでなくプラスまで見込めるような準備を整えた。
たとえ新戦力に計算外があったとしても、オフに日の丸を背負って好投を見せた根本悠楓や、昨季は能力の片鱗を見せながら故障で4試合の登板に留まった金村尚真ら楽しみな若手は多い。
爆発力は秘めている顔ぶれだけに、待たれるのは軸となる新たな柱の存在。そこで期待したいのが、プロ4年目で初めて開幕投手の大役を託された伊藤大海だ。
「自覚と責任」を力に
伊藤は駒大苫小牧高から苫小牧駒沢大を経て、2020年のドラフト1位で日本ハムに入団。ルーキーイヤーから2年続けて10勝9敗、防御率2点台と安定した成績を残してチームを支えてきた。
ところが昨季は開幕前に侍ジャパンの一員としてWBCに参戦した影響もあってか、7勝10敗で防御率3.46と苦しいシーズンに。それでも指揮官からの信頼は厚く、シーズン終了後に行われたファン感謝イベントでは2024年の開幕投手を務めることがサプライズで発表された。
チームは直近5年の開幕戦で1勝4敗と負け越しており、開幕投手の白星となると2015年の大谷翔平まで遡る。良い形でシーズンの第一歩を踏み出すことができていないだけに、伊藤にはこの嫌な流れを断ち切る投球が求められる。
本人としても、悔しい想いを味わった昨季の巻き返しに燃えるのはもちろんのこと、昨年12月には一般女性との入籍も発表して迎える最初のシーズン。「これまで以上に自覚と責任を持ち、野球と向き合っていきます。支えてくれる家族とともに、これからもファンの皆さんとチームのために1試合でも1球でも多く投げ続けます」と意気込んだように、これまで以上に気合の入る戦いとなることは間違いない。
北海道出身の道産子右腕が舵取り役となり、チームを逆襲に導くことができるか。まずはケガなく順調にキャンプを終え、3月29日に千葉・ZOZOマリンで行われる開幕戦を万全の状態で迎えたい。
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