3年目の「大航海」へ投手を重点補強
BIGBOSS改め新庄剛志監督の下で飛躍を期した2023年は60勝82敗1分に終わり、2年連続のリーグ最下位となった日本ハム。それでも勝利数は前年から1つ積み上げ、個々の選手を見ても万波中正が本塁打王争いを演じるなど、光明も少なくないシーズンだった。
ホップ、ステップときて3年目はジャンプの年へ。球団創設50周年というメモリアルも重なる今季は明確に結果が求められる中、今オフはFA補強を皮切りにトレードや大物外国人選手の獲得など、これまで以上に活発な動きを見せている。
新庄体制3年目の「大航海」、これまでのうっぷんを晴らすような大暴れを見せることができるか。そのカギを握る新加入選手は以下の通り。
【FA】
山﨑福也投手(31)オリックス
【トレード】
黒木優太投手(29)オリックス
【外国人】
パトリック・マーフィー投手(28)ツインズ
アニュラス・ザバラ投手(26)タイガース傘下
アンドリュー・スティーブンソン外野手(29)ツインズ
フランミル・レイエス外野手(28)ロイヤルズ
孫易磊投手(18)※育成契約
【現役ドラフト】
水谷瞬外野手(22)ソフトバンク
【他球団戦力外・自由契約】
鍵谷陽平投手(33)巨人
【ドラフト】
1位:細野晴希投手(21)東洋大
2位:進藤勇也捕手(21)上武大
3位:宮崎一樹外野手(22)山梨学院大
4位:明瀬諒介内野手(18)鹿児島城西高
5位:星野ひので外野手(18)前橋工高
育成1位:濵田泰希内野手(18)京都国際高
育成2位:平田大樹外野手(18)瀬田工高
育成3位:加藤大和投手(18)帝京大学可児高
まず大きかったのが、6球団による争奪戦となったFA左腕・山﨑福也の獲得に成功したこと。当初は打撃にも定評のある選手だけにセ・リーグへの移籍を予想する声も多かったが、最終的には父がかつて在籍していたチームであることや元女房役の伏見寅威がいること、尊敬する先輩・金子千尋コーチの存在といった様々な縁も手伝って争奪戦を制することに成功した。
さらにオリックスからは、トレードで実績豊富な右腕・黒木も獲得。国内の投手王国から左右2枚の実力者を招き入れ、新外国人も右のマーフィーとザバラの2枚を補強した。加えてドラフトでは1位の抽選に2度敗れながら、大学球界屈指の剛球左腕・細野晴希を指名することができ、一気の投手力強化に期待がかかる。
一方の野手も、メジャー通算108発を誇る右の大砲レイエスをめぐる日米複数球団の争奪戦に勝利。マイナーで2年連続30盗塁以上、昨季は44盗塁をマークしている俊足外野手のスティーブンソンも獲得しており、外野を中心に野手陣の競争は一気に激化する。この中で昨季の万波のような新星が誕生してくれば、6年ぶりのAクラス入りや8年ぶりの優勝もぐっと近づいてくることだろう。