初勝利から5連勝飾った荘司康誠
2023年のプロ野球も新人選手たちの活躍が光った。オリックスの育成4位・茶野篤政は開幕前に支配下登録され、育成出身ルーキー初の開幕スタメンを奪取。阪神のドラフト1位・森下翔太は、球団の右打者としては43年ぶりの2桁10本塁打を記録し、日本シリーズでも新人最多タイの6打点を挙げるなど、球団38年ぶりの日本一に大きく貢献した。
そこで今年の新人たちが一軍でどのような活躍を見せたのか、球団ごとにルーキーの通信簿を作成した。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目について、5段階で評価している。
今回は2年連続でパ・リーグ4位に終わった楽天のルーキーたちを見ていく。
楽天は昨年のドラフトで支配下6人中5人、投手を指名していたこともあり、ドラフト1位の荘司康誠をはじめ4人が一軍のマウンドに上がった。
荘司は開幕ローテーション入りこそならなかったが、4月22日の日本ハム戦で一軍先発デビュー。7月5日のオリックス戦で6回無失点と好投し、プロ初勝利を手にした。その後は5連勝を飾り、最終成績は19試合に先発して5勝3敗、防御率3.36。上々のルーキーイヤーとなった。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
荘司はストレートの平均球速が148.3キロと先発としては優秀で球威評価は「4」も、BB%は10.4とやや制球力に欠けた。K%も20.2とリーグ平均並み(19.5)で奪三振の評価は「3」、投手の総合力を示すFIPも3.48とほぼリーグ平均(3.50)と変わらず、総合評価は「3」となった。来季は開幕ローテ入り、そして2桁勝利を期待したい。