投手では船迫と田中が中継ぎとして活躍
2023年のプロ野球も新人選手たちの活躍が光った。オリックスの育成4位・茶野篤政は開幕前に支配下登録され、育成出身ルーキー初の開幕スタメンを奪取。阪神のドラフト1位・森下翔太は、球団の右打者としては43年ぶりの2桁10本塁打を記録し、日本シリーズでも新人最多タイの6打点を挙げるなど、球団38年ぶりの日本一に大きく貢献した。
そこで今年の新人たちが一軍でどのような活躍を見せたのか、球団ごとにルーキーの通信簿を作成した。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目について、5段階で評価している。
今回は球団史上2度目となる2年連続Bクラスに終わった巨人のルーキーたちを見ていく。
まず投手では、支配下で指名された田中千晴(3位)と船迫大雅(5位)の2人が一軍のマウンドを経験した。
田中は4月13日の阪神戦で中継ぎとして一軍デビューを果たすと、そこから7試合連続無失点を記録。5月25日のDeNA戦でプロ初勝利を挙げるなど30試合に登板して2勝3敗、防御率5.51の成績を残した。
船迫は開幕一軍入りを果たすと、開幕戦(3月31日・中日戦)で3番手としてマウンドに上がり、三者三振の鮮烈デビューを飾った。その後も1度二軍落ちを経験したものの、夏場に12試合連続無失点を記録するなど36試合に登板して3勝1敗8ホールド、防御率2.70をマーク。今年27歳となったオールドルーキーが即戦力としてブルペンを支えた。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
田中はストレートの平均球速が149.8キロと150キロに迫る球威を披露し評価は「4」、K%も27.7とリーグ平均(19.5)を大きく上回り奪三振の評価は「5」となった。その一方、BB%は12.8と制球力が課題。FIPも3.88とリーグ平均(3.50)並みの数値で、総合評価は「3」となった。来季は自慢の球威を武器に、セットアッパーに名乗りを上げたい。
船迫はストレートの平均球速が147.3キロ、BB%は6.8でともにリーグ平均をやや上回り評価は「3」。K%は28.0を記録し、田中同様、奪三振の評価は「5」となった。FIPも3.05と良好で、総合評価は「4」。来季は開幕から勝ちパターン入りし、さらに登板数を増やしてチームのV奪回に貢献したいところだ。