【投手部門】石川柊太(ソフトバンク)
プロ野球OBの糸井嘉男氏が独自に月間MVPを選ぶ恒例企画。投手から野手に転向し、通算1755安打を放った糸井氏が、「超人」ならではの視点で8月度のパ・リーグ投手、野手を1人ずつ選出した。
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パ・リーグの投手部門はソフトバンクの石川柊太。8月は4試合登板で1勝しか挙げていないが、防御率は1.98と優秀で、何と言っても8月18日の西武戦でのノーヒットノーランが光る。9回で127球を投げ、4四死球を与えながらもNPB史上88人目となる快挙を達成した。
今季は4勝どまりだが、糸井氏は「ソフトバンクのローテーションを守るのは凄いこと」と勝ち星よりもシーズン通しての活躍を評価。さらに「パワーカーブはえぐいですよ。曲がってからが速いんで、待ってても捉えにくい。(バットとボールの)接点がないんです」と石川最大の武器について証言した。
現役時代は6打席の対戦があり、4打数3安打2四球と結果を残しているが「パワーカーブは捨ててました。真っすぐかツーシーム系が甘いところに来たらしっかり捉えるしかないですね」と解説。2020年に最多勝と最高勝率の2冠に輝いた右腕を絶賛した。
【打者部門】近藤健介(ソフトバンク)
パ・リーグの打者部門はソフトバンクの近藤健介。8月は打率.365、7本塁打、19打点をマークした。出塁率.465、OPSは1.194と文句のない成績だ。
「選球眼が良くボール球に手を出さない。8月にしっかりと3割に乗せてきたし、今まで11本塁打(2021年)が最多だったのに、今年は21本も打って本塁打王を争っています。三冠王も視野に入るくらいの成績ですからね」とパワーアップした巧打者を評価。今季成績(9月6日現在)は打率.303(リーグ3位)、21本塁打(同3位)、74打点(同1位)で、すでに本塁打と打点はキャリアハイを更新している。
横浜高から2011年ドラフト4位で日本ハムに入団した近藤とは、2012年までチームメイトだった。シーズンオフに、まだ十代だった近藤から打撃を見てほしいと頼まれてアドバイスを送ったこともある。
「いいスイングしてるな、センスあるなと感じました。インコース、アウトコース、速い球、緩い球、全てにアジャストする能力が高いです」。当時からキラリと光ったセンスは大きく花開いている。
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