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セ・リーグ前半戦をチーム成績で総括、打のDeNA、投の阪神が浮き彫りに

2023 7/21 06:00SPAIA編集部
広島の新井貴浩監督・阪神の岡田彰布監督・DeNAの三浦大輔監督,ⒸSPAIA
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DeNAが総得点と打率トップ、阪神は四球増で得点力アップ

プロ野球はいよいよ後半戦に突入する。セ・リーグは首位・阪神を追うDeNAが3タテを喫して3位に転落。広島が前半戦5連勝フィニッシュで2位に浮上した。4位・巨人は借金2だが、阪神まで6.5ゲーム差でまだ逆転圏内と見ていいだろう。

後半戦に入る前に前半戦のチーム成績を振り返ってみたい。打撃成績は下記の通りとなっている。

セ・リーグの前半戦チーム打撃成績


チーム総得点とチーム打率ともに1位はDeNAだ。佐野恵太、牧秀悟、宮﨑敏郎のクリーンアップは超強力。打線は水物と言われるが、前半戦はそれほど大きな波もなく、コンスタントに打ち続けた。3連敗して嫌なムードが漂いそうなところでオールスターを挟んだのも、心機一転を図るには好都合だろう。

次いで304得点で2位につけるのが阪神。チーム打率は.2363で、ヤクルトの.2360をわずかに上回る5位だが、それでも総得点が多いのはリーグ1位の294四球が影響しているだろう。岡田彰布監督は、四球は安打と同じという観点から四球の査定ポイントを上げるようフロントに要請したことを明かしている。昨季はチーム打率.243、489得点ともリーグ5位(358四球はリーグ3位)だったから、四球数の増加が得点力アップの一因と見て間違いない。

本塁打数は95本で巨人が1位。不動の4番・岡本和真に加え、丸佳浩や中田翔、大城卓三、さらに秋広優人も成長の跡を見せているのが大きい。ただ、2位ヤクルトに24本差をつけて最多のわりに総得点は3位の299という点はやや物足りなさも残る。

盗塁数は広島が47個でトップ。羽月隆太郎が10盗塁、西川龍馬が7盗塁、秋山翔吾が6盗塁など走れる選手が多い。逆にDeNAはチーム合計で19盗塁と極端に少ない。

最下位・中日は244得点と5位の広島より50点近く少ない。チーム打率.242はリーグ4位だけにポテンシャルはあるはず。阪神が四球を選んで得点力アップしたように、対策を講じれば課題解決できるのではないか。

軒並み好成績の阪神投手陣

続いて投手成績も見ていこう。前半戦のチーム成績は下記の通り。

セ・リーグの前半戦チーム投手成績


投手力は阪神が軒並み高い数字を残している。254失点、防御率2.79、先発投手が6回以上自責点3以下のクオリティスタート(QS)は56回、与四球183はリーグ最少だ。

唯一、被本塁打は41本で中日が最少。広いバンテリンドームナゴヤを本拠地にしていることもあるが、中日もリーグ2位の276失点、防御率2.91を誇っており、投手陣は優秀だ。

逆に300失点を超えているのが巨人とヤクルト。巨人はリーグ5位の313失点、防御率はリーグワーストの3.64、さらに被本塁打も79本と多い。与四球241も中日と並んでワーストタイと投手陣の綻びが目立つ。

ヤクルトもリーグ最多321失点、同5位の防御率3.61で、被本塁打81はリーグワースト。狭い神宮が本拠地ということもあるとはいえ、QS32回は群を抜いて少ない。後半戦は先発陣の奮起が求められる。

こうして数字で見ると現在の順位にも納得がいく。逆に言うと各チームとも課題を解消できれば、まだまだ浮上の余地はあるだろう。後半戦で各項目がどのように推移していくか注視したい。

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