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巨人・秋広優人に覚醒気配…誰もが認めるアーチストの資質と今後の課題

2023 7/20 06:00SPAIA編集部
巨人の秋広優人,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

7月すでに4本塁打、「HR/FB」は阪神・佐藤輝明より上

巨人・秋広優人に覚醒の気配が漂ってきた。二松学舎大付高から入団3年目の20歳。身長2メートルの超大型スラッガーとしてルーキーイヤーから期待されてきたが、ここに来て一皮むけた活躍を見せている。

4月29日の広島戦で松本竜也からプロ初アーチを放つと、5月に3本塁打、7月はすでに4本塁打を放っており、今季8本塁打、25打点、打率.299と堂々の成績。16日のヤクルト戦で高橋奎二から、17日の同戦では市川悠太から2試合連発と最高の形で前半戦を締めくくった。

ストライクゾーンを9分割したコース別の打率は下の通りとなっている。

秋広優人のコース別打率


打率が最も高いのは内角ベルトラインの.533。市川から放った8号2ランもそうだったが、大柄なわりに起用に腕をたたんで内角球を打つ。力まず、バットにボールを乗せて運ぶ技術はアーチストのそれだ。

次いでど真ん中が.452、真ん中高めが.385と高打率。甘いコースを逃さずに捉えている証拠で、逆にそれ以外は全て打率2割台だから極端に苦手なコースもない。ただ、どちらかと言うと、腕が長い割に外角や真ん中低めなど遠いコースほど打てていない。

規定打席に達していないためあくまで参考値だが、フライに占める本塁打の割合を示す「HR/FB」は10.1%。これはリーグ7位相当で、阪神・佐藤輝明(10.0%)や同僚の丸佳浩(9.2%)を上回っている。いい角度で上がればスタンドまで放り込む、スラッガーとしての資質だろう。

課題は対左腕

まだまだキャリアも浅く伸びしろ十分だが、左投手対策は課題のひとつ。右投手に対しては打率.331、6本塁打をマークしているのに対し、左投手は打率.230、2本塁打と打率が1割以上低い。裏を返せば、外角低めに逃げていく左腕のボールを見極められれば、成績はさらに上がる可能性を秘める。

岡本和真という不動の4番が座り、丸佳浩や坂本勇人、中田翔らの実力者に加え、外国人もいる巨人打線で3番を任されているのは首脳陣の期待の表れでもあるが、何より秋広自身が結果を残しているからだ。

阪神・村上頌樹で決まりかと思われた新人王レースにも有力候補として参入。昨年の大勢に続く、チームの野手では2010年の長野久義以来となる新人王も後半戦の活躍次第だろう。

そして、あの松井秀喜から受け継いだ背番号55を背負うスラッガーとして求められるものはまだまだ高い。今後の成長を楽しみに待ちたい。

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