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ロッテ佐々木朗希とオリックス宮城大弥が紡ぐ「令和のライバルストーリー」

2023 6/29 06:00SPAIA編集部
ロッテ佐々木朗希とオリックス宮城大弥,ⒸSPAIA
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3度目対決は勝敗つかずも内容では宮城の勝ち

期待を裏切らないライバルストーリー第3章だった。6月27日のオリックス対ロッテ(京セラドーム大阪)で宮城大弥と佐々木朗希が緊迫の投手戦を展開。両投手とも勝ち負けはつかなかったが、好内容の投球でファンを魅了した。

佐々木は2回に杉本裕太郎の安打にエラーがからんで1点を失ったが、7回107球を投げて5安打10奪三振1失点。160キロ台を連発して場内を沸かせた。

宮城は逆に最遅88キロのスローカーブを交えた緩急自在の投球でロッテ打線を翻弄。8回114球を投げて3安打8奪三振無失点と、佐々木以上の好投を見せた。

試合は9回から登板した平野佳寿が1点リードを守れず、その裏に森友哉がサヨナラ12号ソロを放ってオリックスが劇的勝利。2人の3度目の対決は、白星こそつかなかったものの宮城が勝ったと言ってもいい内容だった。

高校日本代表としてともにU-18W杯出場

ともに2001年生まれの21歳。興南高の左腕・宮城と大船渡高の右腕・佐々木はともにU-18日本代表メンバーに選ばれ、チームメイトとして2019年のU-18ワールドカップに出場した。

物腰が柔らかく、穏やかな性格の2人は馬が合った。ともにドラフト1位でプロ入り。1年目は一度も登板せず、一軍に帯同しながらじっくり育成された佐々木に対し、宮城は1年目の2020年11月6日の日本ハム戦で早くもプロ初勝利を挙げた。

さらに2年目の2021年は宮城が開幕ローテーション入りし、13勝をマーク。佐々木は同年5月27日の阪神戦でようやくプロ初勝利を挙げた。

この年は佐々木、阪神・西純矢(創志学園)、阪神・及川雅貴(横浜)とともに「高校BIG4」と呼ばれたヤクルト奥川恭伸(星稜)も9勝を挙げてブレイク。11試合登板で3勝2敗だった佐々木より、宮城、奥川の方が実績ではリードしていた。

過去2度の対決は佐々木の完勝

そんな2人の初対決が2021年10月14日、京セラドーム大阪。佐々木が6回5安打8奪三振無失点と好投した一方、宮城は5回8安打5奪三振5失点と打ち込まれた。投げ勝った佐々木は3勝目を上げ、チームの優勝マジックを点灯させた。

そして、2度目の対決が2022年4月10日、千葉マリンスタジアム。そう、佐々木が19三振を奪って完全試合を達成した歴史的一戦だ。佐々木が目立ちすぎたため、あまり話題にならなかったが、オリックスの先発は宮城だった。内容は5.2回8安打6奪三振6失点。またも佐々木に完敗していた。

同年のシーズン成績で見ると、佐々木は9勝、宮城は11勝だったが、直接対決で連敗していた宮城は3度目の対決に期するものがあっただろう。2023年6月27日は佐々木以上に輝く好投だった。

第5回ワールドベースボールクラシックにもチームメイトとして出場した2人には、ギラギラした激しいライバル心は見えず、むしろ仲の良い友人のようだ。だが、ひとたびマウンドに上がれば高いパフォーマンスで競い合う。令和の新しいライバルストーリーはまだまだファンを楽しませてくれるだろう。

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