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巨人・オコエ瑠偉に見る現役ドラフトの意義、レギュラー奪取なら“掘り出し物”

2023 3/26 06:00SPAIA編集部
巨人のオコエ瑠偉,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

オープン戦好調で開幕スタメンも現実味

巨人のオコエ瑠偉外野手(25)が好調をキープしている。3月25日現在でオープン戦14試合に出場し、38打数12安打の打率.316、2盗塁、出塁率.381をマーク。24日の楽天戦(東京ドーム)では昨季までチームメイトだった藤平尚真から左前打を放ち、古巣のファンに元気な姿をアピールした。

オコエはナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれ、関東一高3年夏の甲子園に出場すると攻守にわたる大活躍でベスト4入りに貢献。2015年ドラフト1位で楽天に入団した。

1年目から51試合に出場し、プロ初本塁打も放ったが、その後は伸び悩み、2022年はわずか6試合に出場したのみ。週刊誌沙汰になるなどグラウンド外で話題を提供することもあった。同年12月の現役ドラフトで巨人から指名を受けて移籍している。

しかし、新天地で大変身。ここまでの活躍は首脳陣も予想以上だったのではないか。推定年俸850万円の8年目選手の開幕スタメンも現実味を帯びている。

西武・陽川尚将や阪神・大竹耕太郎も活躍

出場機会が少なく燻っている選手にチャンスを与える目的で昨年初めて実施された現役ドラフト。オコエ以外にも、阪神から西武に移籍した陽川尚将が打力をアピールし、ソフトバンクから阪神に移籍した左腕・大竹耕太郎も首脳陣の信頼を高めている。巨人から広島に移籍した戸根千明もオープン戦7試合に登板して防御率0.00だ。

これだけ結果として反映されると、現役ドラフトの意義は大きいものになる。トレードだと球団間の思惑が合致しない限り実現しないが、現役ドラフトなら他球団の指名対象選手から自由に選ぶことができる。

選手にとっても環境が変わることで心機一転が図れるし、埋もれていた才能が引き出されることもあるだろう。球団側、選手側双方にメリットのある制度と言える。

競争激しい外野でオコエは定位置奪えるか

話を戻すが、オコエはこのまま一軍に定着できるだろうか。

外野は実績のある丸佳浩、新外国人のルイス・ブリンソン、現在は二軍だが2022年に23本塁打を放ったアダム・ウォーカー、2021年に135試合に出場した松原聖弥、ベテランの長野久義らがおり、DeNAからFA移籍して3年目の梶谷隆幸も育成契約から支配下に復帰した。ドラフト1位ルーキーの浅野翔吾が今年中に出てくる可能性もあるだろう。

厳しい競争の中で結果を出せなければ、いくらでも替えの利く状況だ。甲子園で高い身体能力をアピールして自らの価値を高めたように、今度は東京ドームで存在感を放てるか。オコエの勝負のシーズンがもうすぐ始まる。

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