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巨人の年度別最多セーブと歴代クローザーランキング、大勢に期待される「息の長い活躍」

2023 3/9 06:00SPAIA編集部
巨人の大勢,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

新人最多タイ37セーブを挙げた大勢

投手の分業制がより細分化されている現代のプロ野球では、クローザーをシーズン通して固定できるかどうかがひとつのバロメーターとなっている。

巨人は3年以上連続して活躍したクローザーが少なく、外国人に頼ることも多かったが、大勢は久々に出現した絶対守護神として期待されている。

西脇工高から関西国際大を経て2021年ドラフト1位で巨人入り。サイドに近いスリークオーターから投げ込むストレートは平均153.1キロを誇り、変化球はフォークとスライダーだけにもかかわらず、1年目からクローザーとして1勝3敗37セーブ、防御率2.05の成績を残した。

WBC日本代表に召集されていることもあり、シーズン開幕前からフル回転したことによる勤続疲労やケガが心配されるが、万全の状態なら今季もクローザーは不動だろう。

歴代クローザーの年度別成績

3年ぶりのペナント奪回を目指す原巨人にとって、クローザーで頭を悩ませる心配がないのは大きい。2007年以降のチーム最多セーブ投手が下の表だ。

巨人の年度別最多セーブ投手


2007年はクローザーに転向した上原浩治が4勝3敗32セーブ、防御率1.74。その後、日米通算100勝100セーブ100ホールドをマークする足掛かりとなるシーズンだった。

2008年は横浜から移籍したマーク・クルーンが活躍。いきなりリーグ最多の41セーブをマークし、2010年まで3シーズンで通算93セーブを挙げた。

久保裕也が20セーブを挙げた2011年以降はクローザーを固定できないシーズンが続く。2012年、2013年には西村健太朗、2015年、2016年には澤村拓一が2年連続30セーブ以上をマークしたものの、2018年から4シーズンはチーム最多でも20セーブ以下だった。

2019年は中川皓太が中継ぎ、抑えとフル回転して67試合登板で16セーブを挙げたが、クローザーとして固定されることはなかった。

シーズンを安定して戦うにはリードした試合を確実に拾うことが不可欠。そのためにはブルペン陣、特にクローザーの果たす役割は大きい。

球団最多セーブは角三男とマーク・クルーン

過去を振り返ると巨人には個性的なクローザーが多かった。

巨人歴代クローザーのセーブ数ランキング


歴代最多セーブは角三男とマーク・クルーンの93セーブ。左腕の角はサイドスローに転向してから頭角を現し、1980年には8勝20セーブをマークして最優秀救援投手に輝いた。

クルーンは当時日本最速の162キロをマークした右腕で、横浜から移籍1年目の2008年には41セーブで最多セーブ。3シーズンで計6勝10敗93セーブ、防御率2.57の成績を残した。

81セーブで3位の西村健太朗に次ぐ4位は、80セーブの石毛博史。1993年に30セーブを挙げて最優秀救援投手に輝き、90年代前半のブルペンを支えた。

74セーブで5位の澤村拓一に次いで、6位に名を連ねるのが鹿取義隆だ。巨人時代はタイトルこそ取っていないものの中継ぎ、抑えとして活躍し、通算58セーブ。西武に移籍した1990年は24セーブを挙げて最優秀救援投手に輝くなど、引退までに通算91勝131セーブをマークした。

7位は完全試合を達成した最後の投手として有名な槙原寛己。キャリアのほとんどは先発だったが、現役晩年にクローザーを務めて1998年に18セーブ、1999年に23セーブを挙げるなど計56セーブを記録した。

8位は54セーブのスコット・マシソン、9位で40セーブの河原純一とアルキメデス・カミネロが並んでいる。

大勢はわずか1年で岡島秀樹と並ぶ11位。今季はもちろん、クローザーとして息の長い活躍が期待される。

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