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中日・髙橋宏斗に飛躍の予感、20歳の「最年少侍」が三振を奪える理由

2023 2/4 06:00SPAIA編集部
中日の髙橋宏斗,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

2022年はリーグ3位の134奪三振

3月に開幕する第5回ベースボールクラシック(WBC)日本代表30人の平均年齢(2023年満年齢)は27.3歳。過去4回と比べて最も若いメンバー構成となった。

特に投手陣は若く、36歳でチーム最年長のダルビッシュ有(パドレス)を除いて全員が20代。中でも髙橋宏斗(中日)は最年少の20歳で大抜擢となった。

中京大中京高から2020年ドラフト1位で入団して3年目。高校時代は2019年の明治神宮大会で優勝して注目右腕と騒がれながら、2020年の甲子園はコロナ禍で春夏とも中止となったため、聖地のマウンドには甲子園交流試合で1試合に登板したのみだった。

苦汁をなめた右腕はプロ入り後も逞しく成長。2年目の2022年は27.2回連続無失点を記録するなど、19試合登板で6勝7敗、防御率2.47と上々の成績を残した。

規定投球回には届かなかったものの、チームの先発陣では大先輩の大野雄大に次ぐ防御率。さらに134奪三振は戸郷翔征(巨人)、小笠原慎之介(中日)に次いでリーグ3位だ。侍ジャパン入りはこの辺りも評価されてのことだろう。

切れ味抜群のストレートとフォークをコントロール

データを細かく見ていくと、三振を奪う能力は抜きん出ていることが分かる。

奪三振率(9イニングで奪う三振数)を表す「K/9」は、セ・リーグで100イニング以上を投げた投手でトップの10.34。2位の高橋奎二(ヤクルト)が9.91、最多奪三振のタイトルに輝いた戸郷翔征でさえ8.07だから、いかに高い数値か分かるだろう。

対戦打者に占める奪三振の割合を示す「K%」も29.0%でトップ。高橋奎二が27.2%、小笠原慎之介(中日)が24.0%、今永昇太(DeNA)が23.6%とリーグを代表する先発左腕を抑えて堂々の1位なのだ。

ストレートは平均151.2キロで被打率.192と優秀だ。さらに平均139.2キロのフォークは被打率.164、空振率31.4%と大きな武器になっている。カットボールやカーブ、スライダーも投げるが、ストレートとフォークの2球種で全体の8割を占めている。

ストライクゾーンを9分割した2022年の投球割合は下の通りとなっている。

髙橋宏斗のゾーン別データ


右が対右打者、左が対左打者だが、投球割合15%以上を示す赤色がコーナーに散らばり、投球割合7%未満を示す青色は真ん中と内角に集まっている。

つまり、それだけ四隅にコントロールできているのだ。しかも右打者の29%を占める外角低めは被打率.140、左打者の外角低めは被打率.097とほとんど打たれていない。

ストレートの球威やフォークのキレはもちろん、それらをコントロールできていることが134奪三振につながっていると言えるだろう。

WBCでも三振奪取に期待

髙橋は自主トレ中から、山本由伸(オリックス)が導入して有名になったやり投げのような練習法「ジャベリックスロー」を取り入れ、さらなる高みを目指している。

WBCでの起用法はまだ分からないが、第二先発や中継ぎでマウンドに立つ可能性が高い。短いイニングなら高い奪三振率はさらに活きるだろう。世界一を争う舞台での経験はかけがえのない財産となるはずだ。

そして、シーズンに入れば先発ローテーションの軸として初タイトルも期待できる。昨季のペースでシーズン通して活躍できれば最多奪三振に輝いても不思議ではない。

まだまだ大いなる可能性を秘める20歳。「最年少侍」にとって、2023年は大きく飛躍するシーズンとなるかも知れない。

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