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ホークス歴代投手の通算勝利数ランキング 現役トップは和田毅、歴代1位は下手投げ初の200勝投手

2023 1/22 07:00SPAIA編集部
ソフトバンクの和田毅,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

歴代1位は皆川睦夫の221勝

投手陣の大黒柱として活躍してきたエースの千賀滉大がメジャーへ移籍したソフトバンク。新たな軸となる若手投手の台頭が期待される2023年だが、2月21日に42歳を迎える和田毅も来るシーズンに向け牙を研いでいる。

「松坂世代」最後の1人となったベテラン左腕は2022年に7勝を挙げ、史上最年長でNPB通算150勝を達成。また、杉浦忠の持つ最多奪三振の球団記録1756も更新した生きるレジェンドだ。残り50勝となったNPB通算200勝の偉業達成に向け、さらなる奮起が期待される。

では、これまでの球団史の中で最多の勝利を挙げた投手は誰だろうか。ホークス在籍時の通算勝利数ランキングを紹介する(前身球団含む)。

ソフトバンク投手の歴代通算勝利数ランキング


歴代1位は皆川睦雄(睦男)の221勝だ。1954年に南海(ソフトバンクの前身球団)へ入団すると、3年目にプロ初勝利を挙げた。この年は11勝をマークしたが、肩を痛めてしまった影響でアンダースローへ転向。これが功を奏して8年連続で2桁勝利を記録した。

68年には31勝で最多勝、防御率1.61で最優秀防御率に輝き、アンダースローとして初の200勝も達成した。71年に現役を引退。プロ野球史上最後の30勝投手、ホークス唯一の200勝投手で、2011年には野球殿堂入りを果たしている。

2位は187勝で杉浦忠。拳母高から立教大を経て1958年に入団すると、1年目から27勝を挙げ新人王を獲得した。2年目の59年には54.2イニング連続無失点のパ・リーグ記録を樹立するなど38勝4敗と驚異的な成績で、チーム4年ぶりのリーグ優勝に貢献。巨人との日本シリーズでも第1戦から4連投し、4連勝で悲願の日本一の立役者となった。

翌60年も31勝をマークし、61年5月には通算100勝に到達。プロ入りから3年1カ月の史上最速での達成となった。その後も64年まで7年連続で2桁勝利を記録したが、登板過多から血行障害に悩まされ、70年限りで現役を引退。86年には監督に就任し、南海最後、ダイエー初代の監督となった。95年に野球殿堂入りしている。

現役の和田毅が150勝で3位

3位には150勝で現役の和田毅が入った。浜田高から早大を経て2002年自由獲得枠でダイエーへ入団すると、1年目から14勝を挙げて新人王に輝いた。10年には自己最多の17勝で最多勝、MVPにも選出されると、11年オフに海外FA権を行使して海を渡った。

メジャーでは故障に悩まされわずか5勝に終わり、16年に復帰。すると15勝、勝率.750で最多勝、最高勝率の投手2冠に輝く活躍を見せた。40歳となった21年には球団初の40歳以上での複数勝利を記録している。

4位は柚木進で123勝。シベリア抑留から生還して1948年に27歳で南海に入団。1年目から19勝を挙げ、2リーグ制となった50年からも3年連続で19勝をマークした。52年には最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振の投手三冠を達成し、MVPにも選出。56年限りで引退した後、投手コーチとして皆川睦雄、杉浦忠らを育てた。

5位は121勝で山内新一。1973年、巨人からトレードで移籍してきた右腕は、当時選手兼任監督だった野村克也に見出され、いきなり20勝を挙げた。その後は南海のエースとして2桁勝利を5年連続含む8度記録。83年に2勝に終わると、無償トレードで阪神へ移籍し、85年限りで引退した。311試合連続先発登板のプロ野球記録を保持している。

6位は119勝で三浦清弘。別府鶴見丘高から1957年に南海へ入団。62年にキャリアハイとなる17勝を挙げるなど5度の2桁勝利を記録し、杉浦、皆川らとともに南海最盛期の投手陣を担った。73年に金銭トレードで太平洋(現西武)へ移籍。75年限りで現役を引退した。

杉内俊哉が7位、山内トリオの2人もランクイン

7位は杉内俊哉の143勝。ゆったりと脱力したフォームから伸びのある直球にスライダー、チェンジアップとのコンビネーションで三振の山を築いたサウスポー。プロ4年目の2005年に18勝で最多勝、防御率2.11で最優秀防御率、パ・リーグの左腕では初の沢村賞に輝くとともにMVPも受賞し、タイトルを総ナメにした。

その後も最多奪三振を3度、最高勝率を2度獲得するなど、先発ローテーションの中心を担った。11年オフにFA権を行使して巨人へ移籍し、18年に現役を引退。引退後は巨人の投手コーチとして後進の育成にあたっている。

8位は山内孝徳で100勝。鎮西高から電電九州を経て1979年ドラフト3位で南海から指名されるも一旦保留し、80年の都市対抗に出場した後に入団した。82年から7年連続で2桁勝利をマーク。チームの低迷期をエースとして支え、通算100勝に到達した92年限りで現役を引退した。

9位は94勝のジョー・スタンカ。1960年にホワイトソックスから南海へ入団した助っ人右腕は、1年目から17勝を挙げ先発ローテーションに定着した。64年には26勝をマークし、リーグ優勝に貢献。阪神との日本シリーズでも第1、6、7戦で完封し、日本一の立役者となった。シリーズ3完封、2試合連続完封はいまだに輝き続けるシリーズ記録だ。

10位は山内和宏の92勝。1980年ドラフト1位で南海に入団すると、山内新一、山内孝徳とともに「山内トリオ」として南海先発陣の中心を担った。83年には18勝で最多勝のタイトルを獲得。だが、右腕の血行障害に悩まされ、88年以降成績が低下。90年のシーズン途中にトレードで中日へ移籍し、92年に現役を引退した。

トップ10の顔ぶれは以上の通りとなった。3位にランクインした和田毅が今後どれだけ数字を伸ばすことができるか、日米通算、そしてNPB通算200勝達成なるかにも注目だ。

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