田中将大が4億2500万円ダウンで更改
年が明けて早くも1週間が経過し、各球団で新人選手たちが入寮、そして合同自主トレを行うニュースが報じられるようになってきた。その一方で、このオフは多くのベテラン選手たちがプロ野球人生の幕を閉じた。中日・福留孝介やヤクルト・内川聖一、西武・内海哲也、阪神・糸井嘉男ら一時代を築いた大物選手たちがユニフォームを脱いでいる。
また、チームの主力として活躍してきたソフトバンクの松田宣浩、中日の平田良介も同年限りで戦力外に。松田は巨人への移籍が決まったが、平田は現役続行を希望も獲得球団は現れず、現役引退へと追い込まれた。
ベテラン選手たちに厳しい現実が突きつけられている今オフだが、契約更改では高額年俸の選手たちにも厳しい冬となっている。
昨季、史上8人目の通算800試合登板を達成した日本ハムの宮西尚生は2億円ダウンの5000万円、球団初の3連覇に貢献した広島・田中広輔も1億2000万円ダウンの3000万円。衰えの見えるベテランたちに減額制限を超える容赦ない大幅な減俸が提示された。
さらに、昨季9億円で球界最高年俸だった楽天・田中将大が今月7日に契約更改交渉に臨み、4億7500万円プラス出来高払いの1年契約でサイン。なんと4億2500万円もの大幅ダウンでの契約更改となった。
〇今オフ大幅ダウンとなった主な選手(金額は推定)
・田中将大(楽天):4億2500万円ダウン(9億円→4億7500万円)
・宮西尚生(日本ハム):2億円ダウン(2億5000万円→5000万円)
・田中広輔(広島):1億2000万円ダウン(1億5000万円→3000万円)
・菅野智之(巨人):1億円ダウン(6億円→5億円)
・中村晃(ソフトバンク):9000万円ダウン(2億4000万円→1億5000万円)
史上最大は杉内俊哉の4億5000万円
今回、田中将大の大幅ダウンは額が額なだけに、大きな話題となった。では過去にこの4億2500万円を超えるダウンとなった選手はいるのだろうか。
調べてみると、2016年、当時巨人に所属していた杉内俊哉が4億5000万円ダウン(5億円→5000万円)で契約を更改しており、これが同一球団における過去最大のダウン額だった。今回の田中将大はこれに次ぐ史上2位ということになる。
〇プロ野球ダウン額ランキング
1位 杉内俊哉(巨人、2016年):4億5000万円ダウン
2位 田中将大(楽天、2023年):4億2500万円ダウン
3位 小笠原道大(巨人、2013年):3億6000万円ダウン
4位 和田毅(ソフトバンク、2019年):3億円ダウン
4位 松田宣浩(ソフトバンク、2022年):3億円ダウン
※自由契約などで他球団に移籍したケースは除く
上記のランキングを見ると、2010年代以降になって大幅ダウンが見られるようになってきている。加えて、巨人、ソフトバンク、楽天と年俸総額が毎年上位の球団に所属している選手に集中しているようだ。
近年プロ野球選手の年俸は高騰しており、複数年契約で数十億円にものぼる大型契約を勝ち取る選手も目立ってきた。今オフもソフトバンクが日本ハムからFA移籍した近藤健介、メジャーから復帰した有原航平と超大型契約を結んだことが報じられている。
今後も年俸が高騰し、大型契約が増えていくことが予想される。それと同時に期待通りの成績を残せず、その契約が切れたときには大幅減俸が待ち受けているはずだ。上記のランキングは今後も更新されていく可能性が高いだろう。
※金額はすべて推定
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