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2022年中日のドラフト補強ポイント 二遊間の補強が急務、立浪2世の逸材発掘なるか

2022 10/6 11:00SPAIA編集部
中日の立浪和義監督,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

投手は先発陣のさらなる強化へ

2年連続のBクラスとなった中日。立浪和義新監督はチームの立て直しを託されるも、課題の打撃陣が今年も振るわなかった。シーズン最終盤まで粘りの戦いを見せたが最後は力尽き、6年ぶりの最下位に終わっている。

来季巻き返しを図るためには、10月20日に開催されるドラフト会議は戦力強化において最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含め中日のドラフト補強ポイントを考えていく。

先発投手,ⒸSPAIA


投手陣はチーム防御率3.28で阪神に次ぐセ・リーグ2位と安定していた。先発投手を見ると、右のエース柳裕也が安定感に欠けたが、大野雄大との左右の軸は健在。その他にも小笠原慎之介、松葉貴大の左腕コンビに加え、20歳の髙橋宏斗が19試合に先発して防御率2.47と大車輪の活躍を見せた。

左右ともに20代中盤から30代前半に選手が集中しており、それ以下の年代がやや手薄になっている。根尾昂が来季先発転向するにしても、過度な期待は禁物。先発陣に厚みを持たせる意味でも、左右にこだわらず先発タイプの投手を上位で指名しておきたいところだ。

リリーフ投手,ⒸSPAIA


一方のリリーフ陣も防御率2.93で、阪神に次ぐリーグ2位と安定。特にR.マルティネスとロドリゲスのキューバ人コンビがともに56試合に登板して、それぞれリーグ1位の39セーブ、45ホールドポイントと圧巻の成績を残した。

さらに、清水達也、藤嶋健人の若手に、祖父江大輔、谷元圭介のベテランが控える盤石の布陣だ。左腕が心許ないのと、ロドリゲス流出の備えとして、左右1枚ずつ指名しておくと安心だが、優先度は高くないだろう。

野手は二遊間の即戦力必須、捕手の層の薄さ改善も

捕手,ⒸSPAIA


捕手は木下拓哉が120試合に出場し、正捕手として君臨。打撃面で昨季ほどの貢献はできなかったが、捕手としては十分な成績を残した。ただ、2番手以降が心細い。A.マルティネスは今季捕手としての出場はゼロ。石橋康太が徐々に出場数を増やしてはいるが、まだまだ発展途上だ。層の薄さを解消するためにも、大学生・社会人から1人は指名しておきたい。

内野手,ⒸSPAIA


続いて内野手。一塁には昨オフ3年契約を結んだビシエドに福田永将が控える。三塁には阿部寿樹、高橋周平、石川昂弥とベテラン、中堅、若手が揃っており、補強の必要はなさそうだ。

問題なのは二遊間。二塁は阿部が今季も最多スタメンだったが、守備面で衰えを隠せなかった。ショートも不動のレギュラーだった京田陽太が不振に陥り、土田龍空の台頭があったものの、層の薄さは否めない。即戦力となる選手の獲得は急務だろう。

外野手,ⒸSPAIA


外野手では岡林勇希が大ブレイクし、欠かせない戦力に。長年センターのレギュラーを務めた大島洋平をレフトに回すなど、負担の軽減にも成功した。昨年のドラフト1位、2位でブライト健太、鵜飼航丞と打力のある2人も獲得し、明るい兆しが見え始めている。長年の課題である打力不足を改善するためにも、引き続き強打の外野手を指名しておきたい。

立浪2世となる逸材の発掘を

以上のことから、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。

1.二遊間の即戦力内野手
今季起用に悩まされた二遊間の内野手を最優先で指名したい。チームの打力不足を補う意味でも立教大の山田健太は打ってつけだ。大阪桐蔭高3年時には根尾らとともに甲子園春夏連覇を達成。大学進学後も1年春から活躍し、今年の大学日本代表の主将も務めた。二塁の守備面で不安は残るが、チームの顔となれる選手だけに逃す手はない。田中幹也(亜細亜大)、村松開人(明治大)らも即戦力として期待値が高く狙い目だ。

2.根尾世代の先発投手
根尾と同世代となる大学生投手を上位で1人は指名しておきたい。より手薄な左腕として白鴎大の曽谷龍平が筆頭候補となる。3年秋に優秀選手賞、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振を獲得。侍ジャパン大学日本代表にも選出されており、即戦力として期待できる。右腕なら荘司康誠(立教大)や菊地吏玖(専修大)らを狙いたい。

3.即戦力捕手
正捕手・木下に次ぐ2番手候補となる選手を確保しておきたい。名城大・野口泰司が筆頭候補。全国大会の経験が豊富な強肩強打の捕手で、今年の大学選手権でも本塁打を放った。愛知出身ということもあり、地元出身選手を積極的に指名する球団の方針にもマッチするだろう。

今季も長年の課題である貧打解消とはならなかったが、徐々に改善の兆しは見られている。来季巻き返しを図るためにも、二遊間と投手陣の層を厚くするとともに、強竜打線復活の礎となる強打の選手獲得にも注力したい。

※表の年齢は2022年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月5日時点)

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