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近年夏場に打線上向き傾向のロッテ 7月反攻へ投手陣の踏ん張りがカギ

2022 6/30 11:00浜田哲男
千葉ロッテマリーンズの井口資仁監督,ⒸSPAIA
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首位との差を徐々に縮める

72試合を消化し、35勝36敗1分けでリーグ4位のロッテ(6月27日試合終了時点)。4位ではあるが、首位のソフトバンクとのゲーム差は5。5月10日試合終了時点では、当時首位の楽天と13.5ゲーム差をつけられていたことを考えれば、この約1ヶ月半でだいぶ差を縮めることができている。

6月はここまで13勝7敗と貯金は6つ。どん底だった4~5月のチーム状態と比べれば、徐々にではあるが上がってきている。7月は上位追撃のムードを一気に高めていきたい時期。近年の同時期のチーム状況と現在の状況も踏まえながら、7月のロッテの戦いを展望したい。

近年は夏場に打線が上向きの傾向

近年の同時期のチーム状況として、まず2021年の打撃成績から振り返る。月別のチーム打率が最も高かったのは.270をマークした7月だった。同月はチームのOPS(出塁率+長打率)も最も高い.817をマーク、チーム得点圏打率は.307とシーズンで唯一3割を超えていた。同年7~8月の月間MVPを受賞した藤原恭大の活躍も大きかった。

コロナ感染拡大の影響を受け、6月に開幕するなどイレギュラーなシーズンだった2020年を振り返ると、7月のチーム打率は.237だったが、8月は.251と最も高く、OPSも最高の.752をマーク。優勝争いを繰り広げたこの2年は夏場に打線が上向いていた傾向があり、優勝争いをできた要因のひとつと言える。

現状を見ると、トップバッターを務める荻野貴司は5月下旬に戦列に復帰して以来、しばらく不振にあえいでいたが、6月9日の中日戦で放った安打をきっかけに安打の量産体制に入った。9日~27日までの打率は.396(48打数19安打)と好調を維持している。

25盗塁をマークし、盗塁数でリーグトップを快走中の髙部瑛斗もコンスタントに安打を重ね、リーグ2位の77安打をマーク。安田尚憲は打率こそ.246と低いが、苦手とする直球にアジャストし、力強い打球を飛ばすシーンが見られるようになってきた。

ここ数年、チームの得点源となっているブランドン・レアードとレオネス・マーティンの不振が続いているのは痛いが、7月に上位を追撃していくため、外国人助っ人たちの打棒は欠かせない。

打線で投手陣をカバーしていけるか

次に2021年の投手成績を振り返る。7月はチーム防御率が4.05で、以降(8月は3.36、9月は3.12、10月は3.33)と比べるとよくなかったが、チームは同月に6勝2敗(東京五輪が開催された関係で試合数が少なかった)で勝ち越し。前述したように、好調だった打線が投手陣をカバーした。

2020年の7月のチーム防御率は4.78で最も悪く、同月は10勝16敗と大きく負け越している。2021年同様、以降は改善しているが(8月は4.15、9~10月は3.26)、投手陣の疲れがたまる頃でもあるからなのか、防御率が悪化傾向の7月はいかに打線で投手陣をカバーしていけるかがポイントになりそうだ。

今年は6月の防御率が2.78(27日試合終了時点)、ここまでを通じての防御率も2.77と安定している。強いて課題を挙げれば、先発投手の防御率が2.38なのに対し、リリーフ投手の防御率が3.57であること。6月26日のオリックス戦で11回表に登板し、来日初勝利を挙げたロベルト・オスナの存在と起用法も、夏場を乗り切るためのカギになりそうだ。

ここまで11試合に登板し、防御率2.30と奮闘している小島和哉を援護していけるかどうかもポイント。小島が投げる試合では2点取れておらず(援護率1.68)、ここから打線が援護して、小島に勝ちをつけていかなければいけない。小島の白星が増えれば、チームも上昇気流に乗っていくだろう。

加えてロッテの場合は、やはりレアードとマーティンの復調がチームの浮沈に大きな影響を与えることになるだろう。オスナの加入によって生じた「1軍外国人5人枠」をめぐる競争が、助っ人たちのモチベーションとパフォーマンスのアップにつながることを期待したい。

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