しぶとさ発揮した三森大貴
先週のパ・リーグは、西武が楽天に3連勝し3位に浮上、ゲーム差も2.5にまで縮めた。また、オリックスも4勝1敗と勝ち越し、ロッテとゲーム差なしの4位に浮上。首位ソフトバンクから6ゲーム差以内に5チームがひしめく大混戦となっている。
SPAIAでは6月21日から6月26日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
首位のソフトバンクでは、三森大貴が16打数8安打の打率.500と打ちまくり、チームトップのwRAA3.0をマークした。24日の日本ハム戦では、初回の第1打席で10球粘って四球を選び、柳田悠岐の先制弾を呼び込むと、2回の第2打席では追加点となるタイムリーを放ち、チームの連敗ストップに貢献した。今季リードオフマンに定着した若鷹が持ち前の粘り強い打撃で打線を牽引している。
西武・川越誠司がレギュラー定着へアピール
1.5ゲーム差の2位につける楽天は先週、秋田と岩手で公式戦を開催し、日本ハムに連勝した。その立役者となったのが4番の島内宏明だ。22日の試合(岩手県営球場)で同点の9回に放った今季4号は、自身初のサヨナラ本塁打。来年3月で閉鎖が決まっている同球場に集まったファンへ、サヨナラ勝利をプレゼントした。
本塁打はこの1本だけだったが、17打数7安打の打率.412と大活躍。wRAAもリーグトップとなる4.3をマークした。
先週4勝1敗で3位に浮上した西武では、川越誠司がwRAA4.1でチームトップだった。4試合でスタメンに起用され、3試合でマルチ安打を記録。特に、24日の楽天戦では、2点ビハインドの2回に同点に追い付く2点タイムリー二塁打、6回の第3打席では今季第1号となるソロ本塁打と、3打点の活躍でチームの勝利に貢献した。チームの外野はレギュラー不在の状況なだけに、この打撃を継続してアピールしていきたい。
オリックスでは、吉田正尚の状態が上がってきている。3試合でマルチ安打を放つなど19打数6安打の打率.316、本塁打も2発放ち、チームトップのwRAA2.8をマークした。24日のロッテ戦で放った5号2ランは4月30日以来、約2か月ぶりの本塁打。けがも癒え、ようやく本領発揮となるか、今後の活躍に注目だ。
日本ハム・ドラ9上川畑大悟があわやサイクル
2勝3敗で5位に転落したロッテでは、安田尚憲がwRAA1.8でチームトップだった。22日の西武戦で4回の第2打席に先制のタイムリー二塁打を放ち、これが決勝点となった。ただ、週間では15打数4安打の打率.267と、特別抜けた成績を残したわけではない。チームは零封負けが3度と打線が上向かない中、安田ら若手の突き上げに期待がかかる。
最下位の日本ハムでは、ドラフト9位ルーキーの上川畑大悟がチームNo.1のwRAA3.6を記録した。スタメンは3試合のみだったが、26日のソフトバンク戦で大暴れ。3回の第1打席に中前安打、5回の第2打席に右越え三塁打を放つと、1点を追う8回にはプロ1号となる同点ソロで猛打賞をマークした。
延長10回の第4打席では四球を選ぶと、谷内亮太の内野安打に相手の失策が絡み、決勝のホームを踏んだ。サイクルヒットこそならなかったが、7連敗中のチームを救う大活躍で、リーグ戦再開後初勝利をもたらした。
日本ハム除く5チームが上位にひしめく混戦模様で、毎週のように順位が入れ替わっている。取り残された形の日本ハムも連敗を7で止めた。シーズンはまだ折り返し地点。ここから反攻を見せ、混パをさらに盛り上げたい。
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