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西川遥輝だけじゃない、福山博之や久保裕也が戦力に 自由契約から楽天で復活した選手たち

2022 7/1 11:00勝田聡
東北楽天ゴールデンイーグルスの西川遥輝と川島慶三,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

西川遥輝と川島慶三が今シーズンから加入

2013年以来の日本一を目指す楽天は昨シーズンのオフに日本ハムを自由契約となった西川遥輝を獲得した。開幕から好調をキープし4月末時点で打率.333、5本、21打点、5盗塁とチームを牽引。3・4月度の月間MVPを受賞した。しかし、その後は低迷し5月の月間打率は1割台。6月もここまで打率.184(49打数9安打)と苦戦している。優勝争いを制するためにも西川の復調は大きなポイントとなりそうだ。

さてそんな楽天が獲得したNPB他球団を自由契約となった選手たちは、どのような成績を残してきたのだろうか。2010年以降で振り返ってみたい。

楽天が獲得した主な自由契約の野手,ⒸSPAIA


西川と同じく今シーズンから加入したのが、今年10月に39歳となるベテランの川島慶三(前ソフトバンク)だ。川島は開幕一軍入りするも、新型コロナウイルス陽性判定を受けたことで出番がないまま3月31日に登録を抹消された。

その後、5月29日に一軍へ復帰すると8試合の出場で打率.143(14打数2安打)、1本塁打の成績を残している。ベンチでチームメートを鼓舞することもできる選手だが、もちろんそれだけの役割ではない。対左投手時のスタメンや代打としての起用で結果を残すことが求められる。

野手では渡辺直人が8年ぶりに復帰

2018年には渡辺直人(前西武)が加入した。渡辺は2010年オフに横浜へトレードで移籍しており、その後西武を経て8年ぶりの古巣復帰となった。

8年前の在籍時のようにレギュラー格ではなかったものの、代打や守備固めをメインとし69試合に出場。打率.208(96打数20安打)、2本塁打の成績を残している。その後、2020年(コーチ兼任)まで現役でプレーし、その後は一軍打撃コーチとしてチームを支えている。

その他の野手では2017年に細川亨(前ソフトバンク)、2016年に栗原健太(前広島)を迎え入れた。細川は西武とソフトバンクで正捕手を務めてきたが、楽天に加入したのは37歳のときだったこともあり控え捕手としての役割だった。そのため、楽天での2年間では合計22試合の出場にとどまった。2018年オフに自由契約となり退団。その後はロッテへ移籍している。

栗原は2014年、2015年と2年連続で一軍出場なしに終わっており、広島からは減額制限を超える年俸提示されていた。しかしそれに同意せず栗原は自由契約を選択。楽天が獲得した。復活を期待されたが、楽天でも一軍での出場機会を得ることはできず1年限りで退団。その翌年からコーチを3年間務めている。

投手では福山博之と久保裕也が中継ぎとして活躍

楽天が獲得した主な自由契約の投手,ⒸSPAIA


投手では2013年から加入した福山博之(前DeNA)が大きな戦力となった。移籍初年度の2013年は22試合の登板にとどまるも、2014年からは4年連続で65試合以上に登板。中継ぎ陣を支えた。

その後は故障もあり育成契約となった時期もあったが、2020年に復活。同年は14試合で防御率0.75、昨シーズンも24試合で防御率2.38と結果を残した。今シーズンはここまで一軍での登板はなく、二軍でも9試合で防御率7.27と苦戦中。再び復活することが期待されている。

2017年には久保裕也(前DeNA)が加入した。同年から3年連続で20試合以上に登板。防御率も3.60、1.71、2.82と好結果を残し戦力となった。しかし2020年は5試合の登板で防御率13.50と結果を残せずそのまま現役を引退している。

2012年には最多セーブのタイトルホルダーでもある加藤大輔(前オリックス)を獲得した。移籍後は守護神としてではなく中継ぎとしての起用だったが、1年目から35試合に登板。防御率3.35とまずまずの成績を残した。しかし翌2013年は6試合の登板で防御率8.71と結果を残せず退団。その後、12球団合同トライアウトを受験するも移籍は叶わず現役を引退している。

他にも2019年に由規(前ヤクルト)、2012年には下柳剛(前阪神)を獲得しているが、移籍後は目立った成績を残すことはできなかった。

このように自由契約から獲得した選手を見ると、投手では福山や久保が複数年に渡って戦力となった一方で、野手では渡辺が結果を残しているものの主戦力とまではいかなかった。西川や川島は野手としての成功事例となることに期待がかかる。

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