印象的な活躍が多かった岡田幸文
ドラフトが高校生と大学生・社会人の分離開催から現在の一括開催に変更された2008年以降で、6位以下の下位指名(育成含む)ながら活躍した選手を紹介する。今回はロッテ編。
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ロッテで目立つのは育成出身の選手が多く活躍していること。全足利クラブから2008年の育成ドラフト6位で入団した岡田幸文はその代表格だ。2011年には41盗塁をマークし、ゴールデングラブ賞を獲得するなど、俊足と広大な守備範囲を武器に活躍した。
2010年の中日との日本シリーズでは、第7戦で決勝打となる適時打を放ち、2011年の巨人との交流戦ではセンターへ3回連続で飛んできた打球をすべてファインプレーでキャッチするなど、後世に語り継がれるような印象的な活躍が多かった。
BCリーグ・富山から2017年の育成ドラフト1位で入団した和田康士朗も、俊足と安定した守備力で今や一軍に欠かせない戦力に。プロ入り4年目には代走での出場がほとんどでありながら盗塁王を獲得し、タイトルホルダーとなった。
ローテーション投手になった二木と種市
鹿児島情報高から2013年のドラフト6位で入団した二木康太も、下位指名から這い上がった一人。プロ入り3年目に7勝(9敗)を挙げると、以降は好不調の波はありながらも先発ローテーションの一人として存在感を示してきた。
2020年にはソフトバンク戦に相性の良さを見せるなど、9勝(3敗)を挙げる活躍を見せ、同期の1位である石川歩とともにチームのリーグ2位躍進に貢献した。
八戸工大一高から2016年のドラフト6位で入団した種市篤暉は、プロ入り3年目の2019年に頭角を現わした。26試合に登板し、8勝(2敗)の好成績をマークし、投球回(116.2)を上回る135個の三振を奪うなど、威力のある直球とフォークを武器に台頭した。
2020年のシーズン中に右肘を痛め、現在はトミー・ジョン手術からの復帰を目指しているが、種市が一軍の戦列に復帰すれば先発陣の層が厚くなる。将来のエース候補と目される逸材の今後に注目だ。
早い段階でチャンスを得ている育成組
育成出身の選手の活躍が近年活発化している。BCリーグ・茨城から2020年の育成ドラフト2位で入団した小沼健太は、2021年に二軍でセーブ王のタイトルを獲得。今季の開幕前に支配下登録を勝ち取ると、ここまで10試合に登板し、防御率1.38と安定した成績を残している。
同年の育成ドラフト4位で専修大から入団した左腕・佐藤奨真も、今季の開幕前に支配下登録。5月14日のオリックス戦でプロ入り初登板を果たすと、6回1失点の好投を見せた。直球は130km台ながらも、チェンジアップやカーブなどを駆使した緩急自在の投球が一軍の打者相手にも通用することを示した。
2020年ドラフト1位の鈴木昭汰は、プロ入り後わずか1勝。今季も打ち込まれるなど一軍に定着できていない。プロの世界に入ってしまえばドラフトの順位は関係ないと言われるが、同期の小沼や佐藤奨とともに切磋琢磨して頑張ってほしい。
前述した岡田をはじめ、育成でも一軍で活躍するチャンスを多くの選手が得ているロッテ。今後も育成を含むドラフト下位選手の奮闘ぶりに注目だ。
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