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巨人・菅野智之の投球スタイルに変化あり? 直球の被打率悪化が影響か

2022 6/28 11:00浜田哲男
読売ジャイアンツの菅野智之,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

離脱はありながらも及第点の活躍

39勝37敗でリーグ2位の巨人。首位を快走するヤクルトには11ゲーム差をつけられ、リーグ優勝を狙うには早くも厳しい状況となっている。攻守に安定しているヤクルトが大きく崩れることは現段階では考えにくく、巨人には早い段階での大型連勝などハイペースで貯金を増やしていくことが求められる。

先発投手の厚みという部分ではヤクルトや阪神などと比べて劣っており、その分、菅野智之の右腕にかかる期待や負担は大きい。今季はここまで12試合に登板して6勝5敗、防御率3.18。戸郷翔征と並んでのチームの勝ち頭であり、体調不良などで離脱はありながらも及第点の活躍は見せている。

緩急をつけた投球スタイルでしのぐ

6月17日の中日戦に先発した菅野は、直球が最速144kmと走っていなかった(今季最高は151km)。先発予定だった9日の西武戦を発熱のために回避し、中14日で迎えた登板だったが、病み上がりの影響もあってか直球に威力が感じられなかった。

しかし、緩いカーブとフォークの球数を増やし、緩急をつけた投球で中日打線を7回6安打無失点に抑えた。相手の先発が同様に好投していた大野雄大ということも影響したのかもしれないが、その日の調子に合わせて柔軟に投球スタイルを変化させる引き出しの多さを見せた。球数はわずか84球と省エネにも成功し、一味違う菅野を印象づけた。

近年は直球の被打率が悪化

変化球を多投し、緩急を強く意識した投球スタイルにモデルチェンジした背景に、近年における直球の被打率悪化が挙げられる。

14勝2敗、防御率1.97と圧倒的な成績を残した2020年は直球の被打率が.223だったが、昨季は.303、今季も.299と悪化。直球の投球割合も2020年は34.2%だったが、昨季は31.2%、今季は30.0%と徐々にではあるが減少。直球の奪空振率も2020年が6.05%、昨季が6.35%、今季は3.95%と悪化している。

元来、直球の割合が多い投手ではないが、近年はより一層変化球の割合が増えている傾向にあり、その理由が直球で空振りが奪いにくくなったことと無関係ではないだろう。

変化球を見ると、今季はツーシームの被打率が.375と打ち込まれているものの、フォークは.171、カットボールは.220、カーブは.174、スライダーは.251と、変化球をうまく配分し打ち取っていることがわかる。直球の球威がある程度戻ってくればツーシームのようなボールも生きてくるはずだが、現段階では分が悪い。

先発陣を牽引していく役割

今季は既に昨季と同じ6勝に到達。2年ぶりの二桁勝利はクリアして当然の最低ラインになるだろうし、貯金をできるだけしてヤクルトを追走しなければならない。ましてや、戸郷やC.Cメルセデス、マット・シューメイカーら先発陣を強力に牽引していかなければならない精神的支柱でもある。

菅野が圧倒的な投球を見せ、チームを鼓舞しているかどうかが、リーグ優勝奪還に向けた大きな要素になることは間違いない。

※2022年6月26日試合終了時点

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