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ドラフト下位指名から逆襲した選手たち、楽天・島内宏明が打点王、瀧中瞭太はローテ入り

2022 5/22 06:00SPAIA編集部
楽天の島内宏明と瀧中瞭太,ⒸSPAIA
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昨季打点王の島内宏明は2011年ドラフト6位

楽天がパ・リーグ首位を快走している。ゴールデンウィークには11連勝を記録し、貯金を大きく増やした。田中将大、岸孝之、涌井秀章、則本昂大、早川隆久の実績ある先発投手陣、浅村栄斗、西川遥輝らの野手陣も好調とくれば現在の結果も頷ける。

昨年、打点王に輝き、今季も4番を務めている島内宏明は2011年ドラフト6位入団だ。開幕からローテーションを担っている瀧中瞭太は2019年の6位。分厚い戦力を誇る楽天で、ドラフト下位指名からレギュラーをつかむのは簡単ではない。

ドラフトが高校生と大学生・社会人の分離開催から現在の一括開催に変更された2008年以降で、6位以下の下位指名(育成含む)ながら活躍する楽天の主な選手を紹介する。

【関連リンク】プロ野球ドラフト歴代指名選手一覧

楽天の主なドラフト下位指名選手

辛島航は2008年6位、西口直人は2016年10位

通算49勝を挙げている左腕・辛島航は2008年ドラフト6位で飯塚高から入団した。変化球を自在に操り、2019年には9勝をマーク。昨春に左肘のクリーニング手術を受けてから一軍登板はないが、二軍では登板を重ねており、今季中の復活勝利が期待される。ちなみに同年1位のNTT西日本・藤原紘通はすでに引退しており、同期入団で現役は辛島だけだ。

先述の島内宏明は2011年ドラフト6位で明治大から入団。2017年に自身初の143試合フル出場を果たして14本塁打を放つと、昨季は21本塁打、96打点をマークして初タイトルを獲得した。巧みなバットコントロールと勝負強さで楽天打線を引っ張っている。同年1位はJR北海道の武藤好貴だった。

現在は巨人で活躍する八百板卓丸は2014年育成1位で聖光学院高から楽天に入団した。2019年オフに戦力外となったが、トライアウトを経て巨人入りし、昨季は16試合に出場。今季も5月に9試合に出場し、8打数無安打で二軍落ちしたが、再昇格を狙っている。同年1位は済美高の安樂智大だった。

2020年7月に髙田萌生との交換トレードで巨人に移籍した高梨雄平は、2016年ドラフト9位でJX-ENEOSから楽天入りした。サイドから繰り出すスライダーを武器に、昨季は55試合に登板するなど中継ぎ左腕として重宝されている。

また同年10位で甲賀健康医療専門学校から入団したのが西口直人。昨季はプロ初勝利を含む5勝を挙げ、大きく飛躍した。同年1位は横浜高の藤平尚真だった。

2004年7位の平石洋介は監督に

昨季二軍で打率.319をマークし、一軍でも45試合に出場した渡邊佳明は2018年ドラフト6位で明治大から入団した。大学の先輩で同じ左打者、同じ6位入団の島内に続く成長が期待される。同年1位は立命館大の辰己涼介だった。

昨季10勝をマークし、今季も先発で活躍中の瀧中瞭太は2019年ドラフト6位でHonda鈴鹿から入団した。多彩な変化球と重いストレートで豪華先発陣の一角にくい込んでいる。同年1位は大阪ガスの小深田大翔だった。

2004年オフに新規参入した楽天では、初参加のドラフトで7位指名された平石洋介(トヨタ自動車)が後に監督を務め、現在は西武で打撃コーチを務めている。FA補強にも積極的な球団だが、今後も泥にまみれて努力を重ね、ドラフト下位指名から出世する選手が出てくるか楽しみだ。

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