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岡本和真、村上宗隆、牧秀悟が三つ巴の本塁打王争い、共通する弱点とは?

2022 6/7 06:00SPAIA編集部
DeNAの牧秀悟・巨人の岡本和真・ヤクルトの村上宗隆,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

岡本和真が17本塁打でトップ、打点も三つ巴

セ・リーグのホームランダービーが熾烈を極めてきた。巨人・岡本和真が17本でトップ、ヤクルト・村上宗隆が16本で2位、DeNAの牧秀悟が15本で3位につけている。昨季39本塁打でタイトルを分け合った岡本と村上に牧が割って入った格好だ。

岡本は6月3日のロッテ戦で佐々木朗希から右中間に運ぶ16号2ランを放ち、「令和の怪物」に今季初黒星をつけた。さらに5日のロッテ戦でも17号2ランを放って一歩抜け出している。

村上は4日の西武戦で逆転16号2ラン。チームを勝利に導き、4番の仕事を果たした。牧も3日、4日の楽天戦2試合連続で放り込み、15号まで伸ばしている。

3人を猛追するのが先週6試合で5本塁打を放って13本塁打とした阪神の大山悠輔。さらに同僚の佐藤輝明、ヤクルトの山田哲人、巨人の丸佳浩とアダム・ウォーカーが12本塁打で追いかけており、2桁本塁打が3人しかいないパ・リーグに比べると激しいデッドヒートとなってきた。

ちなみに打点王争いでも、46打点でトップの牧を45打点の岡本と村上が追う形。4位の大山は37打点と水をあけられており、本塁打と打点の2部門は実績のある3人が引っ張るハイレベルな争いとなりそうだ。

岡本の苦手コース

改めて3人の経歴を振り返っておこう。岡本は智弁学園高からドラフト1位で入団して8年目の25歳。2020年に31本塁打、97打点、2021年に39本塁打、113打点で2年連続二冠王に輝いた。4年連続30発をクリアしており、プロ通算152本塁打をマークしている。

村上は九州学院高からドラフト1位で入団して5年目の22歳。2020年に.427で最高出塁率に輝くと、2021年は39本塁打で岡本とともにキングとなり、打点は112でわずか1打点届かなかった。昨年、21歳7カ月の史上最年少で100本塁打に到達し、ここまで通算120本塁打を放っている。

牧は中央大からドラフト2位で入団して2年目の24歳。昨年はルーキーで史上4人目の打率3割、20本塁打となる打率.314、22本塁打、71打点の成績を残し、新人史上初のサイクル安打も達成した。今季も6月6日現在、打率.333で首位に立っており、三冠王すら狙える位置にいる。

まだまだシーズンは長いが、デッドヒートを制するのは誰になるのか興味深い。そこでストライクゾーンを9分割したSPAIAの打撃データから各打者の傾向を探ってみた。岡本のゾーン別データは下の通りとなっている。

岡本和真のゾーン別データ


打率3割以上の赤色は外角高めのみ。逆に打率2割未満の青色は外角低めと内角高め。それ以外のコースは満遍なく打率2割台を記録している。

外角低めは48打数7安打で打率.146と苦手にしており、9分割したコースの中でも徹底的に攻められていることが分かる。そして、外角低めへの意識があるからだろうが、内角高めは9打数無安打3三振と全く打てていないのだ。

ここまで如実に出ると相手チームも攻めやすいのではないか。コントロールミスすると放り込まれるリスクはあるものの、基本的には外角低めと内角高めの対角線で攻めるのが有効なため、捕手もリード面の迷いは少ないだろう。

岡本は外角低めのボール球をいかに見極めるか、相手バッテリーからすれば内角高めを積極的に攻めることがカギかも知れない。

村上の苦手コース

続いて村上のストライクゾーン別の打率は下の通りとなっている。

村上宗隆のゾーン別データ


岡本に比べると、打率3割以上のコースが多い。真ん中高めが23打数7安打で打率.304、ど真ん中が20打数7安打で打率.350、内角低めが21打数7安打で打率.333、真ん中低めが20打数9安打で打率.450、外角低めが32打数10安打で打率.313と好成績を残している。

村上にローボールヒッターのイメージはあまりないが、相手投手から警戒されて低めを重点的に攻められるため、それでも打ち返す対応力の高さを示していると言えるかも知れない。

逆に打率2割未満を示す青色の唯一のコースが、岡本も苦手とする内角高めだ。19打数2安打で打率.105、5三振。右肩を内側に入れて構える村上にとっては最も対応の難しい「急所」なのだろう。克服すべき課題と言える。

牧の苦手コース

牧のストライクゾーン別のデータでは、打率2割未満の青色はないものの、意外に内角を打てていない。

牧秀悟のゾーン別データ


高低を問わず真ん中は赤く染まっている。ど真ん中は23打数13安打で打率.565、真ん中低めは29打数12安打で打率.414と高打率。外角のベルトラインも21打数8安打で.381をマークしている。

逆に内角高めは9打数2安打、内角ベルトラインは22打数6安打、内角低めは14打数3安打と結果を残せていない。それでも首位打者を快走しているのは、いかに甘い球を打ち損じていないかということを証明している。

3人に共通するのは内角高めを打てていないことだ。相手バッテリーからすれば、強打者に対してはどうしても外角中心の配球になりがちだが、内角を思い切って攻めることが肝要だろう。逆に内角高めを克服した打者がタイトルに近付くと言えるかも知れない。今後もハイレベルな争いでファンを楽しませてほしい。

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