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ドラフト下位指名から逆襲した選手たち、日本ハム今川優馬、北山亘基らが活躍

2022 5/12 06:00SPAIA編集部
日本ハムの今川優馬,ⒸSPAIA
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今川は2020年ドラフト6位、北山は2021年ドラフト8位

パ・リーグ最下位と苦しむ日本ハムで、一際異彩を放っているのが今川優馬だ。JFE東日本から2020年ドラフト6位で入団した25歳。思い切りのいいスイングでチームトップタイの6本塁打をマークしており、明るいキャラクターと弾ける笑顔で人気も急上昇している。

日本ハムと言えば、新庄剛志ビッグボスが、京都産業大からドラフト8位で入団したルーキー北山亘基を今季の開幕投手に抜擢。わずか2イニングだったが無失点に抑えて期待に応え、その後は主にクローザーとして起用されている。

今川は6位、北山は8位とドラフト下位指名で入団した選手が投打で活躍しているのだ。ドラフトが高校生と大学生・社会人の分離開催から現在の一括開催に変更された2008年以降で、6位以下の下位指名ながら活躍した日本ハムの主な選手を紹介する。

日本ハムのドラフト下位指名選手

杉谷拳士は2008年6位、上沢直之は2011年6位

2008年は下位指名が当たり年だった。6位で帝京高・杉谷拳士、7位でバイタルネットの谷元圭介を指名。 杉谷はユーティリティープレイヤーとして活躍、谷元は中日に移籍したが、中継ぎとして実績を残している。

この年は5位で福岡工業高の中島卓也を指名。2015年に盗塁王に輝くなど俊足巧打と堅守でチームに貢献している。ちなみに同年の1位は東洋大の捕手・大野奨太だった。

現在、エースとして活躍する上沢直之もプロ入りは下位指名だった。2011年ドラフト6位で専大松戸高から入団。キレのいいストレートと多彩な変化球で昨季は12勝を挙げた。

同年は東海大・菅野智之を1位指名したが、入団を拒否。菅野は浪人して翌2012年に巨人入りしている。また、今季打率トップと絶好調の松本剛(帝京高)は同年2位、中軸打者の一人となった近藤健介(横浜高)は4位だった。

2013年ドラフト6位で慶応義塾大から入団した白村明弘も中継ぎとして活躍した一人だ。2015年には50試合に登板して1勝1敗13ホールド。野手転向後の2020年に引退した。

現在は楽天でプレーする横尾俊建も下位指名だ。2015年ドラフト6位で慶応義塾大から日本ハム入りし、2018年にはキャリアハイの9本塁打、24打点をマーク。2021年2月に池田隆英とのトレードで楽天に移籍している。

ドラフト同期入団の中でも目立つ今川と北山

育成契約を除くと2020年ドラフトで最下位指名だった今川は、同期入団の選手と比べても出色の活躍だろう。1位の伊藤大海(苫小牧駒澤大)は昨年の東京五輪代表にも選ばれるなど期待に応えているが、俊足が売りの2位・五十幡亮汰(中央大)は腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けてリハビリ中、3位・古川裕大(上武大)、4位・細川凌平(智弁和歌山高)、5位・根本悠楓(苫小牧中央高)は一軍に定着できていない。

2021年ドラフトは1位・達孝太(天理高)、2位・有薗直輝(千葉学芸高)ら高卒選手が多かったこともあるが、すでに一軍でバリバリ活躍しているのは北山のみ。8位入団でこれだけの活躍をできればお釣りがくるほどだろう。

上位指名選手に比べれば、下位指名選手は他球団との巡り合わせやスカウトの眼力に左右される面も小さくない。最高評価でも低い評価でもプロに入れば横一線。下位指名から大きく飛躍する選手に注目だ。

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