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日本ハム今川優馬「新庄イズム」受け継ぐスター候補が赤丸急上昇

2022 5/2 11:00SPAIA編集部
日本ハムの今川優馬,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

地元・北海道出身の25歳スラッガー

オフはメディアから引っ張りだこだった日本ハムの新庄剛志ビッグボスもシーズンが始まってからは露出が激減している。チームが最下位に沈んでいては無理もないだろう。

とはいえ、明るい材料がないわけではない。思い切りのいいスイングと快活なキャラクターで売り出し中の今川優馬外野手(25)もその一人だ。

地元・北海道札幌市出身の今川は、東海大四高(現東海大札幌高)3年夏の甲子園に控え選手として出場。1回戦で九州国際大付を破り、2回戦で山形中央に敗れたが、今川は代打で安打を放った。

秘めた素質は東海大札幌キャンパスに進学後に芽吹き始める。4年春に打率.464で首位打者に輝くと、秋のリーグ戦でも打率.389、4本塁打、12打点をマークした。夢の世界が現実的となり、今川はプロ志望届を提出。しかし、吉報は届かなかった。

ショックを振り払ってJFE東日本に進むと、都市対抗で若獅子賞を受賞する活躍で優勝に貢献。2020年ドラフト6位で念願のプロ入りを果たした。

パワーと思い切りの良さで本塁打量産

ルーキーイヤーは二軍で61試合に出場し、打率.310、14本塁打、46打点をマーク。9月12日に一軍昇格すると、ソフトバンク戦で和田毅から1号2ランを放ち、プロ初安打・初本塁打・初打点を記録した。

迎えた今季、開幕一軍に名を連ね、すでにリーグ2位タイの6本塁打を放っている。迷いのないフルスイングでスタンドまで放り込むパワーが最大の魅力だ。

規定打席には達していないものの打率.264、OPSは.926をマーク。長打力を示すIsoPは.358となっており、規定打席到達者でトップの西川遥輝(楽天)の.267と比較すると、いかに飛ばす力を持っているかがよく分かる。

さらに本塁打を1本放つまでにかかる打席数を示すAB/HRは8.8。これもリーグトップの西川遥輝が17.2だから驚異的だ。

小3の時に見たSHINJOが原点

野球を始めたのは小学3年生の時、父親に札幌ドームに連れて行ってもらったのがきっかけ。当時、グラウンドで誰よりも眩い光を放っていたのがSHINJOだった。

子供たちに夢を与える存在。それこそが今川の目指すヒーロー像だ。

4月28日のオリックス戦、2打席連続本塁打を放った今川は、レフトを守っていた6回の守備時にファウルボールをキャッチした客席最前列の少年に駆け寄り、グータッチをかわした。日本ハムのユニフォームを着た少年にとって一生の思い出になるだろう。

今川の原点は小3の時に見たSHINJOであり、「ファンは宝物」というスローガンを掲げる新庄ビッグボスの信念を忠実に実行している。

ヒーローインタビューで「執念!」と絶叫する姿も板についてきた。新庄イズムを受け継ぐ今川が、ビッグボスの背番号1を受け継ぐ日もそう遠くないかも知れない。

※成績は5月2日現在

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