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ソフトバンク柳田悠岐が4000打数目前、通算打率トップなるか?

2022 4/10 06:00広尾晃
ソフトバンクの柳田悠岐,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

あと22打数で4000打数の柳田悠岐

NPBの公式サイトには、投打の歴代通算記録のランキングが掲載されているが、打率は「4000打数以上」となっている。通算1位は昨年10月23日までヤクルトの青木宣親だったが、翌24日に陥落した。しかし、ソフトバンクの柳田悠岐の通算打数が間もなく4000打数に達し、ランキング上位に顔を出そうとしている。

NPB通算打率10傑と柳田悠岐


あと22打数で4000打数に到達する柳田の現時点の打率.318は歴代5位に相当する。また、4位の張本勲から2位の若松勉までの通算打率の差は極めて小さいため、柳田は22打数12安打(通算4000打数1277安打、打率.31925)で一気に2位に躍り出る。

さらに22打数16安打(通算4000打数1281安打、打率.32025)なら、現時点の首位打者であるレロン・リーを抜くことになる。

柳田は7日に左肩腱板炎の診断を受けて登録抹消となっており、10日程度で復帰すると見られている。そこから調子を取り戻せば、通算打率で首位打者になる可能性もある。

ただ、難しいのは「その座をキープする」ことだ。超一流打者なら、通算打率が3割を大きく超えることはそれほど珍しくない。しかし、衰えを感じ始めるキャリア後半に打率をキープするのは非常に難しい。

青木宣親はMLBから日本に復帰して2018年5月3日の中日戦で通算打数が4000に到達し、通算打率ランキングに首位打者として名前が載った。この時の通算打率は.32742 で、当時2位のリーとは7厘差があったが、その後次第に打率が低下し、昨年10月24日に首位打者の座を明け渡した。

現在の通算打率5傑に入っている若松勉は通算151盗塁、張本勲は319盗塁、青木宣親は171盗塁(盗塁王1回)と、足で安打を稼いだと言っても良いほど若い頃は俊足で鳴らした。だが、年齢とともに足が遅くなると打率を低下させる要因になる。

柳田悠岐も2015年にトリプルスリー(3割、30本塁打、30盗塁)を記録するなど、通算156盗塁を記録する俊足で、打率にもある程度寄与していた。しかし2019年以降は盗塁はが一桁にとどまり、足に関してはピークを過ぎたように思われる。

通算打率1位のレロン・リーや5位のブーマー・ウェルズは俊足ではなかったが、NPBの野球に適応して1年目から結果を出した。外国人選手は活躍する期間が短く打数が少ないので、高打率をキープしやすい。

リーは1987年に引退したが、1989年には元同僚の落合博満が4000打数に達して打率.326で1位に立った。しかし落合の打率も次第に下落して1993年にはリーを下回った。

リーは2006年にも小笠原道大が4000打数に達して打率1位の座を奪われたが、その後、小笠原の通算打率も低下して首位打者に返り咲いている。本人は全く意識していないだろうが、通算打率をめぐるリーの壁は非常に高いのだ。

秋山翔吾がNPB復帰ならライバル心に火がつく?

柳田悠岐の年度別打率と通算打率


柳田の通算打率は2020年の.322をピークにここ3年は徐々に下がっている。今年10月9日には34歳になることもあり、数字を見る限り「ピークを過ぎた」と見ることも可能ではある。

しかし、30代半ばは打者として円熟期に入る時期でもあり、多少脚力は衰えても投手の配球を読む能力や、ボールをとらえる技術はこれから完成するという見方もできる。

柳田にとって、シンシナティ・レッズからFAになった秋山翔吾がNPBに復帰する可能性が浮上したことは朗報かも知れない。同じ1988年度生まれの秋山と柳田は、ともに2010年のドラフトでパ・リーグに入団し、左打ちの中軸打者としてしのぎを削り、2015年には柳田が.363、秋山が.359という超ハイレベルの首位打者争いも演じた。

秋山には古巣の西武の他、ソフトバンクなども興味を示していると言われているが、もしパ・リーグに復帰すれば、柳田のライバル心が再び燃え上がるかもしれないかもしれない。

柳田は2018年にも首位打者を獲得しているが、この時も打率.352と高打率だった。さらに2020年にも打率.342をマークしている。万全の体調で試合に臨めば、高打率をキープすることは可能だろう。今後も柳田の通算打率に注目していきたい。

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