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巨人の背番号8の歴史、高田繁、原辰徳、丸佳浩ら歴代強打者の系譜

2022 4/11 11:00SPAIA編集部
巨人の丸佳浩,ⒸSPAIA
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巨人の永久欠番は6つ

プロ野球の各球団には偉大な功績を残した選手を称えて永久欠番に認定された背番号がある。巨人なら王貞治氏の「1」、長嶋茂雄氏の「3」など6つの番号が認定されているが、永久欠番ではなくても大切に扱われる背番号もある。

歴代の主力打者やエース級の投手が背負う番号には、各球団で特有の重みがあり、単なる数字ではない。巨人では「8」もそのひとつだろう。歴代の主な背番号8を紹介する。 

高田繁:1968~80年

初代の水原茂から白石敏男、平井三郎、坂崎一彦らが背負った巨人の背番号8。1968年に受け継いだのが明治大学からドラフト1位で入団したルーキー高田繁だった。

明大時代、2015年に明大の後輩・髙山俊(現阪神)が更新するまで東京六大学記録だった通算127安打をマークしたシュアな打撃で、巨人入団1年目から120試合に出場。打率.301、9本塁打、23盗塁の好成績で新人王に輝き、阪急との日本シリーズでは1番打者として26打数10安打を記録し、シリーズMVPを受賞した。

1971年には38盗塁で生涯唯一のタイトルとなる盗塁王を獲得。1976年には外野からサードにコンバートされ、史上初めて外野手と内野手両方でダイヤモンドグラブ賞を受賞した。

1980年に引退するまで1512試合に出場、1384安打、139本塁打、200盗塁、打率.273の通算成績を残した。引退後は日本ハムとヤクルトで監督、DeNAでGMなどを務めた。

原辰徳:1981~95年

高田の引退後に背番号8を受け継いだのが、東海大学からドラフト1位で入団した現監督の原辰徳だった。東海大相模高時代から強打と甘いルックスでスター選手となり、ドラフトでは4球団競合の末、藤田元司新監督が当たりくじを引いた。

ルーキーイヤーの1981年から125試合に出場して打率.268、22本塁打、67打点で新人王。3年目には103打点で打点王に輝いた。1986年にはキャリアハイとなる36本塁打を放つなど、入団以来12年連続20本塁打、14年連続2桁本塁打を記録。1995年に引退するまで球団史上歴代4位の通算382本塁打をマークした。

引退後は巨人の監督として、今季で16シーズン目に突入している。2021年終了時点で歴代11位の監督通算1152勝を挙げており、すでに川上哲治、長嶋茂雄両氏を上回っている。今季中にも1181勝の星野仙一氏を抜いて歴代10位に浮上することは確実だろう。

仁志敏久:1996~2006年

原の引退後に8を背負ったのが仁志敏久だ。常総学院高時代に夏の甲子園で準優勝、早稲田大時代には主将としてチームを優勝に導き、日本生命を経て逆指名で巨人入りした。

1年目の1996年は114試合出場で打率.270、7本塁打、17盗塁をマークし、巨人では原以来の新人王を受賞。2001年には20本塁打、20盗塁、2004年にはキャリアハイの28本塁打を放つなど、走攻守3拍子揃った内野手として活躍した。

2006年オフにトレードでDeNAに移籍。通算成績は1587試合出場、1591安打、154本塁打、135盗塁、打率.268だった。引退後は日本代表の内野守備走塁コーチなどを務め、現在はDeNAの二軍監督を務めている。

谷佳知:2007~13年

生え抜きのスター選手がつけることが多かった背番号8だが、2007年からは鴨志田貴司、長田昌浩との交換トレードでオリックスから移籍した谷佳知が背負った。

イチロー、田口壮とともにオリックスの豪華外野陣を形成していた谷は、移籍1年目の2007年に打率.318、172安打をマークするなど実力を発揮したが、徐々に出場機会が減少。2014年からオリックスに復帰したものの、通算1928安打と2000安打には届かなかった。

片岡治大:2014~17年

移籍した谷と入れ替わりで入団した片岡治大が背番号8を継承した。西武時代に4年連続盗塁王や最多安打のタイトルを獲得し、FA宣言して2014年から巨人に加入。1年目は126試合、2年目は113試合に出場し、20盗塁以上を記録した。

しかし、ケガもあって2016年は32試合出場にとどまり、2017年に現役を引退。通算1174安打、66本塁打、320盗塁の成績を残した。引退後は巨人のコーチを務めていたが、昨年限りで退団している。

丸佳浩:2019年~

2018年の1年間は空き番となった背番号8を受け継いだのが丸佳浩だ。広島時代の2016、17年に2年連続MVPに輝くなど、リーグ3連覇に大きく貢献。2018年オフにFA宣言して巨人と5年契約を結んだ。

巨人入団後、昨年までの3シーズンで計77本塁打、221打点、打率.281を記録している。昨季終了時点で1459安打を放っており、33歳という年齢を考えると通算2000安打も十分に射程圏内だろう。

歴代の強打者が受け継いできた巨人の背番号8。汗と涙が染み込んだ背番号には、栄光の歴史が刻み込まれている。

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