リーグ最多の3割打者4人擁するも得点力は低下
三浦大輔新監督体制で臨んだ今シーズンのDeNAは開幕から波に乗れず最下位に終わった。開幕からの外国人選手不在に加え、大貫晋一や濱口遥大ら先発陣が不調。また、エース今永昇太も前年に手術を受けた影響で初登板は5月23日と開幕からおよそ2ヶ月間不在だったのも大きく響いた。
このように様々な要因が絡み合っての最下位だったと言えるが、チームスタッツはどのように変化したのだろうか。主な打撃スタッツと投手スタッツを2020年シーズンと比較してみたい。
まずは打撃陣。リーグトップとなる4人の3割打者(規定打席以上)が誕生した打線だが、意外にもチーム打率は悪化していた。1試合平均の得点、安打、本塁打、盗塁とその他の項目でも昨年と比べると数値は下がっている。とくに本塁打は23試合の試合増加があったにもかかわらず、わずか1本しか増えていない。
昨シーズンから主力選手では梶谷隆幸(現巨人)とロペスが退団。そして新戦力としてドラフト2位のルーキー牧秀悟が加入した。牧は打率.314(487打数153安打)、22本塁打と大活躍をみせるも、結果的にチームスタッツは向上しなかった。
また昨シーズンは100打席以上の打者で打率2割を下回る選手は1人もいなかったが、今シーズンは神里和毅(打率.191/118打席)、森敬斗(打率.194/113打席)、山本祐大(打率.131/111打席)と3人の選手が打率1割台に低迷した。高卒2年目の森は育成的な側面もあり、割り切って考えていた部分はあるにせよ、主力選手以外の打撃成績が振るわなかったのも打撃スタッツが下がった一因となっている。
試合数の影響を受けない出塁率と長打率もともに下がり、結果としてOPSも悪化した。規定打席にわずかに及ばず439打席だったオースティンはOPS1.006と奮闘するも、規定打席に到達した4人の中で、OPS.900を超える選手はひとりもいなかった。
とくに佐野は2年連続で打率3割を記録したものの、長打率が.532から.466と下がり、OPSも.927から.842と大きく下げている。これは本塁打が20本(106試合出場)から17本(143試合出場)に減ったことが大きな要因だ。