13勝で優勝に貢献した宮城大弥
2021年のレギュラーシーズンが終了したプロ野球。今年はルーキーの当たり年で、新人王争いも激戦だ。
パ・リーグは投手に候補者が多い。その筆頭格はオリックスの宮城大弥だろう。
興南高から入団して今季2年目だが、昨季は3試合に登板したのみだったため新人王資格を有している。
今季は先発ローテーションの一角として23試合に登板し、13勝、防御率2.51とともにチームメイトの山本由伸に次ぐリーグ2位の好成績。8月には両リーグ10勝一番乗りを果たすなど、前半戦は特に活躍が目立った。
持ち味は左腕から繰り出す平均144.5キロのストレートと同107.6キロのカーブのコンビネーション。40キロ近い緩急を活かした投球でパ・リーグの強打者を翻弄してきた。
被打率.221は規定投球回到達者の中でリーグ4位。いわゆる剛腕ではないものの奪三振率(K/9)も8.02と高い。チームが優勝したこともあり、新人王の最有力候補だろう。
伊藤大海はQS17回、早川隆久は与四球率1.96
日本ハムの伊藤大海も開幕当初は勝ち星に恵まれなかったものの、最終的には2桁勝利に乗せ、有力候補の一人だ。防御率リーグ4位の2.90、同6位タイの10勝をマーク。QS(6回以上自責点3以下)はリーグ3位の17回記録しており、同じ23試合登板でQS15回の宮城を上回っている。
リーグ3位の141奪三振、奪三振率(K/9)8.69もともに宮城より上。侍ジャパンの一員として東京五輪で金メダルを獲得したのも印象深い。
平均146.3キロのストレートとスライダー、カットボール、フォーク、チェンジアップ、カーブ、シュートと多彩な変化球を駆使し、上沢直之の12勝に次ぐチーム2位の白星を挙げたのは高評価に値する。
開幕前に最も注目度が高かったのは楽天・早川隆久だった。ドラフトで4球団競合し、開幕から先発ローテーションの一角を担った。
5月までに6勝と順調に白星を積み上げたが、6月25日に登録抹消され、最終的には9勝どまり。規定投球回にも到達せず、防御率は3.86だった。
奪三振率も8.30と高いが、それ以上にアピール材料となるのが与四球率(BB/9)1.96。宮城の2.39、伊藤の3.27を上回っており、制球力ではライバルよりも頭一つ抜けている。
ただ、QS9回は宮城、伊藤を大きく下回っており、トータルで見ると3番手評価となりそうだ。
防御率2.27の佐々木朗希も候補
登板数が少ないため可能性は低いが、ロッテの佐々木朗希も候補の一人。大船渡高から入団2年目の今季、ようやく実戦デビューを果たし、計11試合登板で3勝2敗だった。登板間隔を十分に開けながら大切に使われてきた。
投球回が63.1イニングと少ないため参考記録ではあるが、防御率2.27は宮城、伊藤、早川の3人を上回っている。被打率.216も同様だ。平均152.6キロのストレートとフォーク、スライダーのほぼ3球種だけでプロの一線級を相手に残した数字だから、ポテンシャルの高さを証明している。
また、優勝を争っていた10月14日のオリックス戦では宮城と投げ合って6回無失点で勝利投手となった。同学年で新人王争いのライバルとの直接対決を制したのは強調材料だろう。
発表は12月15日。結果を楽しみに待ちたい。
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