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近年最強の中継ぎ投手は? 2019年宮西尚生がK/BB、WHIPで驚異の数値をマーク

2021 11/14 11:00林龍也
北海道日本ハムファイターズの宮西尚生,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

清水昇がプロ野球記録の50H達成、堀瑞輝が初タイトル

ヤクルトの清水昇がシーズン50ホールドのプロ野球記録を樹立し、みごと2年連続で最優秀中継ぎ投手に輝いた。日本ハムの堀瑞輝は、42ホールドポイント(HP)で自身初の同タイトルを獲得。堀は既に今シーズンを終えているが、清水は日本シリーズでもフル回転が期待され、まだまだ右腕を振る日々が続きそうだ。

そこで今回は、日ごろなかなか脚光を浴びることの少ない中継ぎ投手たちに着目。過去5年間で同タイトルを獲得した延べ13人の成績を比較し、最強の最優秀中継ぎ投手について考察していきたい。

※ホールドポイント:勝利とホールドの合計

70試合以上登板は近藤一樹、岩嵜翔、清水昇

2017年~2021年の間に最優秀中継ぎ投手に輝いた11人(延べ13人)の顔ぶれと主な成績は以下の通り。

2017年から2021年の最優秀中継ぎ投手,ⒸSPAIA


清水と宮西尚生(日本ハム)が2回ずつ受賞、あとは1回ずつの受賞となっている。2020年のセ・リーグでは清水に加え、福敬登、祖父江大輔(中日)が、2017年にもセ・リーグで桑原謙太朗、マテオ(阪神)が同時に受賞したため、合計人数が13人となっている。

13人の平均的な成績を見ていくと、60試合登板・40HP・防御率2点台前半という数字が、同タイトルを獲得する上での水準となりそうだ(2020年は試合数が少ないが、ここでは考慮しない)。

最多登板は2018年・近藤一樹(ヤクルト)の74試合で、70試合以上は2017年・岩嵜翔(ソフトバンク)、2021年・清水の3人。近藤は安打、四球が最多で防御率、WHIPも13人の中で最低の数字となってしまった。

清水は50H・53HPでいずれもトップ。特筆すべきは、これだけ投げていながら投球回数を上回る74奪三振をマークした点だ。岩嵜も防御率1.99、WHIP0.98と、高いレベルのパフォーマンスを見せた。

登板数で最少だったのは2020年のモイネロで50試合だが、77三振は2019年のロドリゲス(中日)と並んでトップ。K%は驚異の39.9%をマークし、平均を大きく上回った。さらに26安打も最小だったが、25四球を与えたためWHIP1.06、K/BB3.1はほぼ平均。ロドリゲスはK%でモイネロに次ぐ32.1%、防御率1.64、WHIP0.93と好成績をマーク。安定感という面ではモイネロを上回っていたと言える。

制球力が際立つ祖父江大輔、桑原謙太朗

四球・BB%を見ていくと、2020年の祖父江が7個・3.6%、2017年の桑原が10個・3.8%で、いずれもWHIP1.0未満、防御率1点台と安定した投球を見せていた。

祖父江はK%が17.9%と最低だったが、打たせて取る投球でチームのピンチを救っていたことがわかる。桑原は全体トップの防御率1.51をマーク。登板数も多く、WHIP0.94という成績は、質・量の両面で好成績だったと言える。

その2人を上回る安定感を見せたのが、2019年の宮西だ。55試合で6四球、BB%は最小の3.3%を記録し、WHIP0.80も全体トップ。3.5を越えれば優秀と言われるK/BBでは、8.5と驚異の数字を叩き出した。宮西はこの前年にも41HPでタイトルを獲得しているが、この年は球威・制球力の両方が向上し、成績も大きく伸びた。

逆にBB%が最も悪かったのが、13.1%を記録した2021年の堀瑞輝だ。自身初のタイトルとなった堀は60試合で42HP、防御率2.36をマーク。先述した13人の平均とほぼ同じ成績を残した。安打や三振という面では好成績を残しているだけに、四球が改善されればワンランク上の中継ぎ投手になれるだろう。

K/BB・WHIPで圧倒的な成績を残した宮西尚生

以上のことから、この5年間で最も活躍した最強の最優秀中継ぎ投手には、2019年の宮西を挙げたい。

やはり「質」の面で、圧倒的な成績を誇ったことが理由だ。K/BB:8.5、WHIP:0.80は他の追随を許さず、その安定感はチームに大きな安心感を与えていたことだろう。ほぼ全ての指標で平均以上をマークし、「悪い」と言える項目はなかった。

55試合登板と「量」の面では平均を下回ってしまったが、44HPは平均を上回っており、さらに2年連続でのタイトル受賞と、その面での貢献度も充分だ。

今回の対象には含んでいないものの、宮西は2016年にも同タイトルを獲得、さらに入団から14年連続50試合登板を達成するなど、まさに鉄腕ぶりを発揮している。近年という枠だけでなく、2010年代最強の中継ぎ投手と言っても過言ではないのかもしれない。

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