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早くも始まったビッグボス改革 日本ハム・新庄剛志監督に期待できる理由

2021 11/13 11:00浜田哲男
日本ハムの新庄剛志監督,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

日に日に高まる期待値

連日のように話題を振りまいている日本ハムの“ビッグボス”こと新庄剛志監督。監督就任の会見を皮切りに秋季キャンプの視察やSNSの更新など、その一挙手一投足が注目され、来季の日本ハムに対する期待値も日に日に高まっている。

秋季キャンプでは、さっそく新庄流の練習を実施。捕手、内野手、外野手をシャッフルしたシートノックを行い、遠投の際には自身が指定した高さ以下で投げるように指示。清宮幸太郎や吉田輝星ら伸び悩む若手には、積極的に声をかけてコミュニケーションをとっている。

今季は最下位こそ免れたものの、3年連続Bクラスに低迷するなど暗い話題が続いた日本ハム。チームを根本から変え、再び常勝チームを目指すべく、新監督にかかる期待は大きい。

守り勝つ野球の復権

新庄監督といえば、現役時代は球界屈指の外野守備で10度のゴールデングラブ賞を獲得。的確なポジショニングと俊足、強肩で幾度となくスーパープレーを見せてきた。ともに鉄壁の外野陣を形成した稲葉篤紀GMと森本稀哲氏は、中堅を守っていた新庄の細やかな指示に従って守るポジションを都度決めていたという。

秋季キャンプでは、五十幡亮汰や今川優馬、万波中正ら若手外野手に身振り手振り指導。選手たちはその一言一句に耳を傾けて目を輝かせていた。新庄監督が選手として在籍(2004年~2006年)していた頃の日本ハムは走攻守でそつのない野球が特長であり、中でも鉄壁の外野守備は広い札幌ドームにも合っていた。

今季のチーム失策数76個はリーグワースト。理論に裏打ちされた緻密な守備で知られる新庄監督が、どのように守備を立て直し、強かった頃の守り勝つ野球を復権させるのか。その手腕に注目が集まる。

名将のもとでプレーした経験

監督就任会見では、「ヒットを打たなくても点は取れるという作戦面での面白さ、こんなやり方があるんだというものを伝えていきたい」と改革の一端を示していた。今季躍進したオリックスや2年連続リーグ2位のロッテは、打撃や走塁においてひとつでも先の塁へ走者を進める意識が高く、その積み重ねが得点力の向上につながった。

日本ハムのチーム打率.231とチーム得点数454はともにリーグワースト。将来の大砲候補の野村佑希が今季は99試合に出場するなど経験を積み、メジャー通算56発のレナート・ヌ二エスの獲得を発表するなど補強も行っている。ただ、長打を打てる打者が少ない現状を鑑みると、改革を進める上で新庄監督の考えは現実的であり、ベースに据えるべきものだろう。

ID野球で野球界を席巻した野村克也氏や、犠打を多用して2006、2007年の日本ハムのリーグ優勝につなげたトレイ・ヒルマン氏らの指導のもと、様々な経験を積んできた新庄監督がどんな戦術をチームに浸透させるのか楽しみだ。

選手のモチベーションをアップ

新庄監督の周囲には常に多数のメディアがついてまわり、今まで露出が少なかった選手たちにも必然的に多くの注目が集まることになる。「人に見られることで緊張感が出ていいプレーが生まれる」と新庄監督は口にするが、実際に秋季キャンプで若手選手たちの様子が全国に配信されており、その効果はてき面だ。

自身のツイッターでは、「僕と一緒に戦っていく選手全員を1回はあの大歓声の1軍のグラウンドに立たせることをここで約束します。その一瞬のチャンスをものにした選手こそ、スターに育て上げる第一歩となります」と投稿。就任会見の際には「今いる選手全員がドラフトで指名された選手だと思っています。レギュラーが決まっている選手は1人もいない」と宣言するなど、競争心を煽り、全選手のモチベーションアップを巧みにはかっている。

新庄監督のフラットな目線や、やる気を引き起こす数々の言葉によって、眠っていたポテンシャルを開花させる選手も出てくるかもしれない。日本ハムだけでなく野球界を変える意気込みで帰還した稀代のスーパースターが、今後どんな改革を推進していくのか。その一挙手一投足から目が離せない。

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