過去5回リーグ優勝した阪神
プロ野球の優勝争いがいよいよ佳境を迎える。セ・リーグは阪神が首位をキープしているが、巨人、ヤクルトも含めた3チームのうち、どこが抜け出しても驚けない状況だ。
2005年以来16年ぶりの優勝を狙う阪神だが、1950年の2リーグ分立以降に優勝した5シーズンに共通点がある。
実は巨人が2位だった年が一度もないのだ。
藤本定義監督の下、25勝してMVPに輝いた村山実や27勝を挙げて沢村賞に輝いた小山正明らの活躍で初めてセ・リーグを制した1962年は大洋が2位。巨人は4位だった。
2年後の1964年も村山やバッキー、さらに小山との「世紀の大トレード」で阪神入りした山内一弘らの活躍で優勝したが、2位は大洋。巨人は2位と10ゲーム差の3位だった。
2003年は独走、2005年は巨人5位
バース、掛布雅之、岡田彰布ら「第2次ダイナマイト打線」の爆発で21年ぶりに優勝した1985年は広島が2位。巨人は2位と5ゲーム差の3位だった。
星野仙一監督2年目で井川慶や金本知憲らの活躍で18年ぶりにセ・リーグを制した2003年は独走でゴールテープを切った。2位・中日に14.5差、3位に並んだ巨人とヤクルトに15.5差をつけた。
岡田彰布監督の下、ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の「JFK」が躍動した2005年は2位・中日に10ゲーム差。巨人は5位に沈んだ。
阪神が優勝したシーズンは、なぜか巨人がいまひとつの成績。今季のように激しい優勝争いの末、阪神がペナントを勝ち取ったことは一度もない。
1位・巨人、2位・阪神はなんと16回も
ただ、逆パターン、つまり巨人がセ・リーグを制して阪神が涙を呑んだシーズンは多い。2リーグ分立以降、巨人が優勝して阪神が2位だったシーズンは1952年、1953年、1956年、1957年、1958年、1959年、1968年、1969年、1970年、1972年、1973年、1976年、2008年、2013年、2014年、2020年と16回もある。
中でも印象深いのは1973年と2008年だろう。1973年は首位の阪神が残り2試合に勝つか引き分ければ優勝というところまで迫りながら10月20日の中日戦で敗戦。勝った方が優勝となった同22日のシーズン最終戦の巨人戦は0-9で完敗し、巨人にV9を許した。
中日と相性の良かったサブマリン・上田二朗が巨人戦に回り、江夏豊が中日戦に先発。結果的にこれが裏目に出て、まさかの連敗となった。最終戦終了後、怒った阪神ファンが甲子園のグラウンドになだれ込み、巨人ナインが川上哲治監督を胴上げできないまま退散したシーンは今も語り草だ。
2008年は歴史的V逸で岡田彰布監督辞任
2008年も壮絶だった。
シーズン序盤から首位を快走した阪神は、7月22日にマジック46が点灯。しかし、8月の北京五輪後に急失速し、7月9日に13ゲーム差をつけていた巨人にひっくり返されて「メークレジェンド」と呼ばれる逆転優勝を許した。失意の岡田彰布監督は責任を取って辞任した。
巨人との優勝争いにことごとく敗れてきた阪神。歴史は繰り返されるのか、それとも初めて宿敵を倒してペナントをつかむのか。阪神と巨人の直接対決は残り7試合。泣いても笑っても、あと約1カ月で答えは出る。
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