交流戦通算165勝176敗13分けで勝率.484
セ・リーグ首位を快走する阪神にとって最初のヤマ場となりそうなのがセ・パ交流戦だ。今年は25日から始まり、各カード3試合ずつの計18試合が組まれている。
阪神は25日から甲子園でロッテ3連戦の後、メットライフドームで西武戦。6月1日から甲子園でオリックス、ソフトバンクとの6連戦に臨み、6月8日から札幌ドームで日本ハム、11日から楽天生命パークで楽天と戦う。
16年ぶりのリーグ優勝に向け、交流戦をどれくらいの勝敗で終えるかは、その後の戦い方を左右する。毎年言われるが、日本球界は「パ高セ低」の状況が続いており、負け越すと単に勝率が下がるだけでなく、チーム内の雰囲気や流れにも影響を及ぼす可能性がある。現在、貯金が16ある阪神は最低でも5割、勝ち越せれば十分だろう。
阪神の年度別交流戦成績は下表の通りだ。
通算165勝176敗13分けで勝率.484。昨年は交流戦が中止されたため、2005年から2019年までの15年間で勝ち越したのは6回だけだ。
ソフトバンク戦は24勝31敗4分けで勝率.436
カード別に見ると、ソフトバンク戦が24勝31敗4分けで勝率.436、日本ハム戦が27勝31敗1分けで勝率.466、西武戦が28勝31敗で勝率.475、オリックス戦が27勝29敗3分けで勝率.482と負け越している。
逆に楽天戦は30勝29敗で勝率.508、ロッテ戦は29勝25敗5分けで勝率.537と勝ち越している。
ただ、2017年以降の3年間だけで見ると、ソフトバンク戦は2勝6敗1分け、楽天戦が3勝6敗、オリックス戦が3勝4敗2分け、日本ハム戦が4勝5敗と負け越しており、西武とロッテには5勝4敗と勝ち越している。
いずれにしても楽な相手はいないが、中でも交流戦8回優勝のソフトバンク戦とパ・リーグ首位の楽天戦でいかに星を拾うかが分かれ目だろう。
阪神は2018年にソフトバンクに、2019年には楽天に3タテを喫している。悪くても1勝2敗で乗り切らないと尾を引くことになりかねない。
ソフトバンクは千賀滉大と森唯斗が不在
ただ、今年はソフトバンクも例年ほどの強さはない。昨季、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の3冠に輝いたエース千賀滉大と、3年連続30セーブ以上を挙げているクローザーの森唯斗がケガで不在。5月11日にはロッテに敗れて2015年9月以来6年ぶりに、6カード連続で勝ち越しなしとなり、3位に転落した。現在は2位とはいえ、貯金はわずか4しかない。
阪神は千賀との対戦は意外に少ないが、2016年6月18日には8回2安打13三振無失点と完璧に封じ込まれたことがある。そのエースに加え、抑えの森までいないとなると、心理的なプレッシャーも違うだろう。
阪神・佐藤輝明と楽天・早川隆久の対決も注目
また、楽天の涌井秀章とは相性は悪くない。直近ではロッテ時代の2019年6月4日に対戦し、梅野隆太郎の本塁打など5回で9安打を浴びせてノックアウト。試合も11-3で大勝している。
今季開幕投手を務めた涌井は中6日のローテーションで毎週金曜日に登板しており、順当なら6月11日の阪神戦に投げるだろう。3連戦初戦を取れればチームも勢い付くだけに、阪神にとって大事な試合になりそうだ。
そして楽天戦でもうひとつの楽しみは黄金ルーキー対決。昨年ドラフトでともに4球団競合した阪神・佐藤輝明と楽天・早川隆久だ。早川はここまで中6日で毎週日曜日に先発しているだけに、6月13日の3連戦最終戦に登板する可能性が高い。現在、両リーグの首位に立つチームで大活躍しているドラ1ルーキーの対決は、ファンならずとも楽しみだ。
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