平均3.74年に1人、新人王を輩出してきた巨人
コロナ渦で予断を許さない状況ではあるが、予定通りなら2021年のプロ野球は3月26日(金)に開幕する。次代を担う新たなスターは誕生するだろうか。
2020年の新人王はセ・リーグが森下暢仁(広島)、パ・リーグが平良海馬(西武)だった。1950年以降、最も多くの新人王を輩出しているのは19人の巨人。次いで西武(前身球団含む)の15人、日本ハムの13人となっている。
巨人は71年間で19人だから、平均すると3.74年に1人は新人王が出ている計算になり、さすが「球界の盟主」と言えるだろう。
2011年の澤村拓一以来9年間、新人王なし
しかし、意外なことに直近では2011年の澤村拓一が最後。実に9年間も新人王が出ていない。
巨人はドラフトで1位指名の抽選をことごとく外しており、2019年まで4年連続で「外れ外れ1位」だったことも無関係ではないだろう。現に抽選を外した中には、2019年の新人王に輝いたヤクルト・村上宗隆(2017年ドラフト外れ1位指名)が含まれている。
2011年に11勝を挙げた澤村や、2010年に打率.288、19本塁打をマークして新人王に輝いた長野久義は1位指名だった。
ほかにも、2003年に10勝を挙げた木佐貫洋(自由獲得枠)、1999年に20勝の上原浩治(逆指名)、1983年に12勝をマークした槙原寛己、1981年に22本塁打を放った原辰徳(現監督)、1968年に打率.301をマークした高田繁、1966年に16勝の堀内恒夫らも皆、ドラフト1位だ。
2009年の新人王・松本哲也や2008年の山口鉄也ら育成出身選手もいるが、ドラフト上位指名選手が新人王に近い位置にいることは確かだろう。
東都のMVP・平内龍太は巨人軍史上20人目となるか
そういう意味では2021年は期待が持てる。昨年ドラフトでは近畿大のスラッガー・佐藤輝明を抽選で阪神にもっていかれたものの、外れ1位で亜細亜大の最速156キロ右腕・平内龍太を獲得した。
身長185センチ、90キロの恵まれた体格から威力のあるストレートだけでなく、スライダー、カーブ、スプリット、ツーシームを操る本格派。2020年の東都秋季リーグでは3勝1敗、防御率1.27でMVP、最優秀投手、ベストナインに輝いた。
原監督は「智之2世」と同じ本格派右腕の菅野智之の名前を出して絶賛している。かつて別所毅彦氏や斎藤雅樹氏らが背負った背番号「11」を与えたのは大きな期待の表れだ。
叔父はダイエー時代に通算28勝を挙げ、現在はソフトバンク編成育成本部の永井智浩本部長。同期入団のドラフト2位・山崎伊織(東海大)は同じ兵庫県明石市出身と話題性もある。
新人王に輝けば巨人では10年ぶり20人目。メジャー挑戦を目指していた菅野の残留が決まり、最高のお手本が身近にいるのも平内にとってはプラスだろう。1年目から活躍する可能性は十分にありそうだ。
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