高卒出身で30本塁打以上を達成したことがある現役プレーヤーは10人
2021年シーズンで、30本塁打以上を達成したことのある日本人選手は14人いる。そのうち高卒でプロ入りした選手は村上宗隆(ヤクルト)、岡本和真(巨人)、鈴木誠也(広島)、山田哲人(ヤクルト)、丸佳浩(巨人)、浅村栄斗(楽天)、中田翔(日本ハム)、T-岡田(オリックス)、坂本勇人(巨人)、中村剛也(西武)の10人だ。
通常、高卒でプロ入りした選手は数年間はファームで育成され、頃合いを見て一軍で起用される。ただ、一軍で戦力になるまでの年数はまちまちで、坂本勇人(巨人)や村上宗隆(ヤクルト)のように2年目から一軍で規定打席に到達する選手もいれば、T-岡田(オリックス)のように5年目で開花する選手もいる。
高卒出身で30本塁打以上を達成した選手の二軍成績を見ると、一軍で規定打席の半分以上に初めて到達した前年に例外なくクリアしている項目があった。もちろん、この10人のみに絞った場合であり、この項目をクリアすれば30本塁打以上を記録するというわけではない。
全員がブレイク前年にOPS.700以上をクリア
各選手が一軍で初めて規定打席の半分以上に立った前年の二軍成績が下の表だ。
一、二軍を往復している選手もおり、全員が規定打席に到達しているわけではない。だが、二軍での試合出場数が極端に少ない選手もいない。全員が高卒4年以内に最低40試合に出場している。
意外にも本塁打数はまちまちで、中田が30本塁打を放っている一方、山田は0本。出場試合がこの10人の中で最も少ない40試合とはいえ、山田がファームで0本というのは驚きだ。
打率は中村と坂本を除いて2割7分超え。長距離砲であれば低打率となりそうな印象もあるが、二軍では最低2割7分がブレイクの目安と言える。
出塁率と長打率の合計で表されるOPSは全員.700を超えており、中田にいたっては1.041と、とんでもない数値をマーク。本塁打が10本に満たない選手でも最低.700はクリアしている。
三振数を打席数で割ったK%はT-岡田の24.91%が最も高い。2019年シーズンに一軍でセ・リーグワーストとなる184三振を喫した村上でもファームでは19.67%と、二軍で三振を量産していたわけではない。またK%が20%を超える選手が2桁本塁打を記録している点も見逃せない。
2020年シーズンに条件を満たしたブレイク候補7人
2020年シーズンのファームで高卒4年目までで40試合以上に出場しOPS.700以上、K%が20%以下、もしくは2桁本塁打の条件を満たす選手は誰がいたのだろうか。
現時点で支配下登録されている選手から絞り込むと、細川成也(DeNA)、今井順之助(日本ハム)、黒川史陽(楽天)、山口航輝(ロッテ)、林晃汰(広島)、小園海斗(広島)、リチャード(ソフトバンク)の7人が該当した。リチャードは若干打率が低い。
それぞれのチーム事情があり、彼らに今シーズン一軍で多くの出番が与えられるかは分からない。しかし、今シーズンブレイクすれば、先輩たちのように将来的に30本塁打以上を期待できる可能性は十分にある。
彼らは一軍でブレイクし、長距離砲へと大成するだろうか。今シーズンの活躍を見守りたい。
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