細川成也とリチャードが二冠王を獲得
2月1日のキャンプインが目前に迫っている。実績のある主力選手やベテラン選手には調整を任されているが、若手は早い段階で状態を作り首脳陣へアピールをしなければならない。特に昨シーズン、二軍で結果を残した選手たちはなおさらだろう。
昨シーズンの二軍では、細川成也(DeNA)とリチャード(ソフトバンク)の2人の打撃二冠王(本塁打・打点)が誕生した。両選手ともに長打が魅力のスラッガー。昨シーズンの勢いそのままに春季キャンプで結果を残し、一軍での飛躍につなげたいはず。
これまでに二軍で本塁打と打点の二冠王を達成した選手たちは翌年、一軍でどのような結果を残してきたのだろう。イースタン・リーグとウエスタン・リーグに分けて振り返ってみたい。
畠山和洋は二冠王翌年に一軍出場なし
2001年以降、イースタン・リーグでは10人(11回)の二冠王が誕生している。
畠山和洋(ヤクルト)、中田翔(日本ハム)、筒香嘉智(横浜)など、チームを代表する打者に育った選手がいる一方で、一軍では実績を残すことができなかった選手も多い。
特に2000年と2001年に2年連続首位打者も含め三冠王を獲得したポール(西武)は不運だった。初めてイースタン・リーグで三冠王を獲得した翌年(2001年)は、カブレラとマクレーンがおり一軍出場はなんと0試合。イースタン・リーグで、その鬱憤を晴らすように再び三冠王を獲得。しかし同年オフに自由契約となり、西武を退団した。
2002年は畠山が二冠王を獲得。しかし翌年、一軍での出場はなかった。二冠に輝いたとはいえ、打率.259という確実性の低さが要因になったようだ。また、当時の畠山の主戦場である三塁は岩村明憲が君臨しており、岩村の故障時には鈴木健が代役を務めたため、一軍で起用するポジションがなかったのだ。さらに、一塁にはベッツ、左翼にはラミレスといった外国人選手もおり、他のポジションを守ることすら容易ではなかった。
一方、中田や筒香は二冠王翌年に一定の成績を残している。しかし、翌年に最も結果を残した選手と言えば昨シーズンの安田尚憲(ロッテ)だろう。シーズン中盤から4番を任され、113試合に出場、規定打席にも到達。打率.221、6本塁打は一軍の主軸としては物足りないかもしれないが、実質一軍1年目と考えれば十分すぎる数字だ。
T-岡田は一軍でも本塁打王を獲得
ウエスタン・リーグでは、2001年以降に10人(13回)が、本塁打と打点の二冠を獲得している。
喜田剛(阪神/広島)、陽川尚将(阪神)、メヒア(広島)の3人がいずれも2年連続で二冠王に輝いているのには驚きだ。2年連続と聞こえはいいが、見方を変えれば二冠王を獲得しても翌年に一軍での出番が少なかったということになる。
喜田は一軍で実績を残すことなく現役を引退した。現役でプレーを続けているメヒアと陽川も、ここまでは一軍でレギュラーになることはできていない。今後に期待がかかる。
栗原健太(広島)とT-岡田(オリックス)は二冠王を獲得した翌年、一軍でも2桁本塁打の結果を出している。特に33本塁打で本塁打王を獲得したT-岡田は、この年のオープン戦で打率.324(34打数11安打)とアピール。そのままシーズンに突入し、ウエスタン・リーグ、オープン戦、そして一軍と立て続けに結果を出した。まさに大ブレイクだ。
二軍で本塁打と打点の二冠王を獲得することは珍しくない。その中から畠山、中田、筒香、栗原、T-岡田のように一軍でも4番を任されるほどの打者が誕生しているのも事実だが、二冠王の翌年に一軍で結果を残すことができるのは稀。はたして、細川とリチャードはどのような結果を残すのだろう。今から楽しみだ。
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