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今季FA権取得見込みのDeNA宮﨑敏郎が克服すべき「天敵」ヤクルト石山泰稚

2021 1/26 11:00SPAIA編集部
DeNA宮﨑敏郎ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

2020年わずか29三振、PA/Kはリーグ断トツ1位

2020年のセ・リーグで最も三振の少なかった打者はDeNAの宮﨑敏郎だった。429打数でわずか29三振しかしていない。パ・リーグ首位打者に輝いたオリックス・吉田正尚と並んで12球団最少で、卓越したバットコントロールを証明している。

三振を喫するまでにかかる打席数を示すPA/Kは15.86で、セ・リーグトップ。2位の大島洋平(中日)が10.29だから飛び抜けている。

29三振を喫した球団、投手の一覧が下の表だ。

DeNA宮﨑敏郎の対戦相手別三振数


最も多い9三振を喫したのが広島戦。今村猛、フランスア、野村祐輔、ジョンソン、矢崎拓也、床田寛樹、森下暢仁、九里亜蓮、床田寛樹から1個ずつ喫している。

ただ、広島戦の対戦打率は.361と高く、決して苦手にしている訳ではない。三振した試合も4勝3敗1分けと勝ち越しているため、悲観する必要はなさそうだ。

石山泰稚とは7打数ノーヒット4三振

深刻なのはヤクルト戦。対戦打率は3割を超えているものの、クローザーの石山泰稚から4三振を喫しているのだ。

石山が出てくるのだから当然ながら、対戦は9回のリードされている場面。7月21日の試合では9回2死一塁で空振り三振してゲームセット、8月30日の試合でも2点差に追い上げてなお2死三塁の場面に代打で登場し、空振り三振で最後の打者となるなど、宮﨑が石山から三振を奪われた試合は4戦全敗だ。

昨季は石山に対して7打数ノーヒット4三振と、滅多に三振しないヒットメーカーが完璧に封じ込まれた。石山は昨季、国内FA権を取得して去就が注目されたが、権利を行使せずヤクルトに残留。2021年も対戦は避けられないだけに対策は必須だろう。

中日戦も相性は良くない。対戦打率.244と低く、柳裕也、山本拓実、橋本侑樹、佐藤優、マルティネス、大野雄大から計6三振を喫した。最優秀防御率と148三振で最多奪三振に輝いた大野雄大とは7打数1安打1三振だった。

巨人戦は打率.295で5三振。今オフのメジャー挑戦を断念して残留した菅野智之とは6打数ノーヒット2三振と抑えられたため、石山同様に対策が必要だろう。

阪神戦は対戦打率.286で2三振と比較的相性が良かった。特に左腕の岩貞祐太とは10打数5安打の打率5割をマークしており、11勝を挙げた西勇輝に対しても9打数3安打2本塁打と結果を残している。

順調なら今季中に国内FA権取得

厳木高(佐賀)―日本文理大―セガサミーと決してエリートコースではない野球人生を歩み、2012年ドラフト6位でプロ入り後は2017年に打率.323で首位打者に輝くなど実績を積み上げてきた。

2016年以降のPA/Kは11.17、11.13(2017年)、13.11(2018年)、13.51(2019年)、15.86(2020年)と年を追うごとに三振を減らしている。

9年目の今季は、順調にいけば国内FA権を取得する見込み。1998年以来の優勝を目指す三浦大輔新監督の下、「セ界一三振しない男」がどこまで進化するのか楽しみだ。

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