大学通算45本塁打の「よくばりくん」
西武に新たな巨漢スラッガーが加わった。2020年ドラフト1位の渡部健人内野手(桐蔭横浜大)だ。
昨秋のドラフト時は体重112キロだったが、1月6日の入寮時には118キロに“増量”。弾け飛びそうなスーツのボタンをとめて、若獅子寮に入った。
西武には「おかわりくん」と呼ばれた本塁打王6回の中村剛也や2018年から2年連続本塁打王の山川穂高らパワーあふれる強打者が多いだけに、渡部には早くも「おかわり3世」や「よくばりくん」などといった愛称候補が飛び交う。いずれにしても、大学通算45本塁打をマークした打棒にかかる期待は、その体格並みに大きい。
前身球団を含めると、西武はこれまでパ・リーグ最多の15人の新人王を輩出している。12球団を見渡しても19人の巨人に次ぐ2位だ。
2020年も33ホールドをマークした西武の平良海馬が受賞した。渡部は16人目となるだろうか。
中西太、豊田泰光、清原和博、松坂大輔らそうそうたる歴代新人王
前身の西鉄時代、球団史上初めて新人王に輝いたのが「怪童」中西太だった。
高松一高からプロ入りし、高卒ルーキーながら111試合に出場して打率.281、12本塁打、65打点をマーク。2年目から4年連続本塁打王に輝くなど通算244本塁打のスラッガーで、通算142盗塁と足も速かった。
翌1953年も水戸商から入団した豊田泰光が27本塁打をマークして新人王。その後も稲尾和久、池永正明らが名を連ねた。
球団史上でも屈指のインパクトを残したのは、1986年の清原和博だ。PL学園から鳴り物入りで入団し、126試合出場で打率.304、31本塁打、78打点。その後も西武黄金時代の主力として活躍したのは説明の必要もないだろう。
さらに1999年には横浜高で甲子園春夏連覇を果たした松坂大輔が16勝をマーク。2011年には牧田和久(現楽天)、2017年には源田壮亮が新人王に輝いている。
足も速く、守備もいい
渡部健人は神奈川県出身で、横浜商大高では1年夏からレギュラーをつかんだが、日本ウェルネス高に転校して甲子園には出場していない。桐蔭横浜大でも持ち前の怪力で1年春から4番として出場し、50m6秒3の脚力も併せ持つ。大学ではサードやファーストだったが、高校時代はショートを守っており、守備力の評価も高い。
ドラフト1位のため即戦力として期待されるが、大卒ドラフト2位の山川が14本塁打でブレークの兆しを見せたのは3年目。高卒ドラ1の中村も初の2桁となる22本塁打を放ったのは4年目だ。渡部もプロの投手に慣れるまで長い目で見る姿勢は必要かも知れない。
とはいえ、豪快なアーチを早く見たいのはファンも首脳陣も同じだろう。今は見た目のインパクトで話題となっているが、実力で話題になった時、西武打線に厚みが増すことは間違いない。
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